日米FTA―ここが問題
議員会館 各党・議員に聞く
情報開示なしと批判
前代未聞の国際法違反
「TPPプラスを許さない!全国共同行動」は10月10日、衆院第1議員会館内で「ここが問題―日米FTA―各党・議員に聞く」を開き、国会議員、秘書、市民ら約200人が参加しました。
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200人がつめかけた院内集会 |
冒頭、アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子共同代表が、情報開示もなく、影響試算も不十分な日米貿易協定を批判しました。
基調講演を東京大学大学院の鈴木宣弘教授が行い、「前代未聞の国際法違反協定〜国会承認は不可能」と題して報告。鈴木教授は日本が日米貿易協定を「ウィン・ウィンだ」と強調するものの、アメリカにとってはTPP(環太平洋連携協定)の約束を履行しない「選挙対策協定だ」と告発。来年の日米貿易交渉の第2ステージではさらなる農畜産物の関税引き下げが迫られるなど、TPPを超える最悪の交渉だと指摘しました。
さらに、日米首脳会談では、協定文とは別に、アメリカの余剰トウモロコシ275万トンを日本が購入することが発表され、「これは米中貿易戦争のもとで、アメリカのトウモロコシが販売できなくなったことに対する“尻ぬぐい”にほかならない」と批判しました。
こうして日本の畜産農家は飼料代の高騰に苦しめられ、輸入農産物の増大で日本の農業と食の安全が脅かされることを指摘。参加者に「体を張って反対してほしい」と呼びかけました。
その後、国会議員の決意表明と市民との意見交換が行われ、最後に、元農水大臣の山田正彦さんが「総仕上げの日米FTA(自由貿易協定)を私たちも体を張って阻止しましょう」と結びました。
(新聞「農民」2019.11.4付)
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