農家の税金対策
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災害による損失と
保険金や補償金等の扱い
災害により農業に損害が発生し、保険金や補償金などを受け取る場合、税務上の扱いはどうなるでしょうか。
課税のものは雑収入に計上
突発的な事故により資産に加えられた損害や心身の損害により受け取る損害保険金や共済金、賠償金、慰謝料などは基本的に非課税ですが、事業所得などに関わるものについては課税されるものがあります(『税金対策の手引き』2020年3月申告用15ページ及び21ページ)。
水稲共済や果樹共済、補償金などで農業収入に代わる性質の保険金等については農業の収入金額(雑収入)に計上します。
事業用資産の損失等の計算
農業用施設や機械、果樹の樹体などの農業用資産が滅失した場合の損害額は、取得費から減価償却費の累積額を引いた残存価額です。その損害による保険金や補償金などを受け取った場合には、保険金等を収入金額に計上せず、資産の損害額から保険金等の金額を差し引いた残額を必要経費に算入します。もし損害額を超える保険金等を受け取った場合、その超えた金額は非課税です。
損壊した事業用資産の修繕や取り壊し、廃棄のための費用、土砂その他事業の障害となるものを除去するための費用を必要経費に算入する場合も、その補てんのために受け取った補償金などがある場合は、同様に差し引きます。
保険金等の金額が確定申告までに確定していない場合は見積額で計算して申告し、確定したときに差額が生じた場合は、修正申告または更正請求をします。
農業用施設等の資産の再取得のために補助金等を受けた場合には、収入金額に計上せず、取得費から補助金等を差し引きます(圧縮記帳といいます)。
被災事業用資産の損失の繰り越し
損益通算してもなお引ききれなかった損失の金額(純損失)のうち、被災事業用資産の損失金額については、白色申告であっても、翌年以後3年間に繰り越して各年分の総所得金額等から控除することができます。申告用紙の第4表を使います。
未収穫農作物が災害により損失を受け、収穫できた農作物の収穫時の価額の合計額を超える損失があった場合、その超える部分の金額は被災事業用資産の損失額に計上できます。未収穫農作物の損失額は、当該農作物に係る種苗費、肥料費、労務費等の経費の額によって計算します。
(新聞「農民」2019.11.4付)
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