「農民」記事データベース20191104-1383-01

各地の実態示し、
従来の枠超えた対策要求

農民連が農水省に要請

関連/台風19号被害支援募金


1千億円超の農業被害

 農民連は10月24日、農水省に対し台風19号の被災農家への支援要請を行いました。

 被害総額が1000億円を超えるかつてない農業被害をもたらした台風19号。「災害で離農者を一人も出さない」精神で従来の枠組みにとらわれない支援を求めました。

 農水省からは18日付で内閣府から激甚災害指定の見込みが出ていることで、ハウス内の水耕施設や水没した農業用機械などの購入費用への条件付き助成(経営改善計画が必要) など、台風15号で実施された支援策の実施が見込まれると紹介。「大臣から現場に行って声を聞いてきめ細かい対応策をするように指示が出ている」と話しました。

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作業量ハウスに流入した稲ワラを撤去するボランティア参加者(茨城県常陸太田市)

 軽トラが買い替え助成の対象から外れていることについて参加者は、「軽トラなしで農業はできない。何としても支援対象に加えてほしい」と要求しました。

 またハウスの解体や施工、土砂や稲わらの撤去も農事組合法人などで作業の請負組織を作り、復旧を進めれば支援を受けられるようになります。

収穫期と重なり被害拡大
被災農家から胸つまる訴えも

 長野県農民連の菊池敏郎事務局長は「水没したリンゴは、どんな水につかったのかもわからないので、被害果実を加工に回すこともできない」と、これまでの被害とは違った状況を指摘。また、「きのこの培地が災害ゴミに指定されず、困っている。再建のめどが立たない」と実情を訴えました。

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写真を示して訴える長野県農民連の菊池敏郎事務局長

 農水省はリンゴについて「改植への支援以外にも何かできないか検討している」と、これまでの枠を超えた支援を検討。「きのこの培地は災害ゴミとして扱えるよう、市町村に伝える」ことを明らかにしました。翌25日には生産者に市から連絡が入り、「これで見通しが立つ」と喜んでいました。

 茨城からは村田深書記長が「JAS有機米栽培を15ヘクタール以上している農家が、機械も家も親類の分も合わせて2000袋の米すべて水没してしまった。『先が見えないのが一番つらい。このまま農業続けろというのは酷だ』と言われた。常総水害にやった支援策ぐらいできないのか」と涙ながらに訴え。農水省は「収穫後の米やくだもの、野菜の被害に対する支援を検討している」と返答しました。

 このほかにも「共済組合が国の方針通りに査定しない」など、生産者から支援策へ要望を直接訴え、農水省も検討を約束しました。

 交渉には日本共産党の紙智子、武田良介、岩渕友の各参院議員と立憲民主党の石垣のり子参院議員が同席しました。


台風19号被害支援募金
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 口座番号 61671711
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 店名 008
 普通 6167171
 名義人 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2019.11.4付)
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2019年11月

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