農家が得する
税金コーナー
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宮崎県農民連
消費税課税事業者向け学習会
「軽減税率」導入に伴う実務学ぶ
宮崎県農民連・都北農民組合は、10月から消費税の課税事業者を対象にした学習会を組合事務所で昼の部・夜の部に分けて5回行ってきました。
県農民連は、約400人が税金の自主申告に参加していますが、そのうち約3割の120人が消費税の課税事業者で、そのうちの2割が本則課税で申告しています。そのため、10月1日の消費税増税・「軽減」税率の強行で煩雑な実務が迫られます。
学習会では、はじめに庶民いじめの消費税の逆進性を学び、消費税廃止、5%への引き下げの運動を呼びかけました。そして「軽減」税率に伴う実務について学習しました。
今年の消費税の計算は会計年度の途中で税率が変わったため、9月30日までと10月1日からの売り上げ・経費を分けることが必要です。同じ8%でも国税と地方消費税の割合が違うので、明確に分けないと計算ができません。計算方法は別の機会に学習会を持つことにしています。
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消費税の記帳学習会=9月19日、都城市 |
そして、具体的な記帳については、農民連の『税金ノート』を実際に使って学習しました。
まず売り上げで、食用の農産物には※印を品目の後ろに記入し、非食用の農産物には何も書かないことを実際自分の作っているものを題材にやってみました。まとめも今年の場合は、9月末までの旧8%と10月以降の新8%と10%に分けて合計します。ですから量の多い人は、「帳簿を2冊にした方が間違いない」と余分にもう1冊買われる人もいました。
経費の方も複雑です。雇人費のまかない費(『ノート』10〜13ページ)は、お菓子、ジュースや弁当は「軽減」税率なので摘要の後ろに※印を記入します。店内飲食やリポビタンDは標準課税なので何も書かないなど区分けが必要です。接待交際費(同51ページ)や小作料・賃借料(同13ページ)も食料品を購入してお礼の品とした場合は「軽減」税率で※印をつけます。具体的な例を出しながら記帳の勉強をしました。
区分記載請求書(納品書や領収書も含め)の書き方も勉強しました。いままでの伝票を使うときは8%と10%の2枚に分けて書くことで対応できることや、本則課税の方は相手からもらうことを忘れないようにすること、記入が正確でない場合は、自分で書き足すことができる(区分記載請求書では可能)ことなど具体的な対応も学習しました。
不安に思っていた会員も一度やれば、できるようになり安心です。来年申告用の『手引き』と『ノート』がもうできているので、これを使って学習会をもっと多くの箇所で開催していきたいと思います。
(宮崎県農民連書記長 来住誠太郎)
(新聞「農民」2019.10.21付)
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