「農民」記事データベース20190930-1378-11

旬の味


 夏の終わりに、家族ぐるみで長年仲良くしていた方の家に線香をあげに行きました。この方は、私が小さいときから自分の仕事が休みになると、私の家の裏山に入って自然薯(じねんじょ)を掘るのが好きでした▼何回か一緒に行くぞと誘われ、行ったことあるのですが、まあ、これが大変なんてものじゃない。整備されていない山を歩くのもしんどいけれど、自然薯のある場所をそこから見つけ、深く掘って折らないように取り出すのは本当に神経と体力を使います▼もう今年からそれもできないし、食べられなくなるなーと寂しい気持ちになります。線香をあげ終わり、奥さんと話しているなかで、どうしても心残りがあるというので聞いてみると、夫の作った、そのままハブを漬け込んだハブ酒が気持ち悪くて処分できないというので、もらってきました▼正直私もそんなにヘビなど得意ではないのですが、今度からは、このおじさんの思い出を肴(さかな)にうちの家族でハブ酒を飲んでみようかな、と思っています。

(平)

(新聞「農民」2019.9.30付)
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2019年9月

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