エコひいき農業で野菜をつくろう!
第5回
堀 俊一
土着天敵をみつけよう
利用には住みかとエサが必要
元々地域にいた天敵を土着天敵と言います。いま、土着天敵の防除効果に期待が寄せられています。天敵を利用するには、その住みかとエサが必要です。しかし、土着天敵はまだほとんどその生態が分かっていません。
部分耕と雑草の管理を重視して
そこで、私は部分耕と雑草の管理を重視しています。雑草は、作物、害虫、天敵の勢力に影響を与えると思われるからです。雑草は一度に全部刈りません。また、春夏秋冬、畑にはいつも何かの花が咲いているようにしています。雑草などの花蜜が天敵の成虫のエサになるからです。
天敵には捕食者、捕食寄生者、天敵微生物の3つがあります。捕食者とは、テントウムシ、クモなどです。とくに、地面の上を歩き回るクモがよく働いているようです。
捕食寄生者とは、昆虫の体内に寄生するハチやハエなどです。多くの種類があり体長1ミリから数センチのものがいます。
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硬化病のイモムシ |
天敵微生物とは、昆虫の病気を引き起こすウイルス、カビなどです。イモムシはウイルスで死ぬと体が軟化します。また、晩秋に白色や緑色のカビが生えたイモムシが野菜の葉にぶら下がっているのをよく見かけます。害虫が病気に感染するのは若い時なので、晩秋にカビの生えたイモムシを見つけたら、それをポリ袋に入れて冷蔵庫の冷凍室で保存します。翌年、若いイモムシになすりつけてイモムシを病気にします。
(新聞「農民」2019.9.16付)
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