日米FTA
「大枠合意」を撤回せよ
交渉内容を直ちに公表を
緊急要請 全国食健連と農民連
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)と農民連は9月5日、日米貿易交渉での「大枠合意」の撤回と貿易交渉の中止、内容の公表、トウモロコシの追加輸入の真相究明を求める緊急要請を行い、10人が参加しました。
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日米交渉の中止を要請する舘野事務局長(立っている人)ら |
冒頭、舘野豊事務局長(全農協労連書記長)は、「農水省は食料自給率が37%になったと発表したが、日米貿易交渉が締結されれば、更なる低下に拍車をかけることは明らかだ。国民の食料の安定供給にとって、重大事態。交渉内容を直ちに国民に明らかにすべきだ」と迫りました。
農民連の笹渡義夫会長は、ライトハイザーUSTR(アメリカ通商代表部)代表が今回の合意で「70億ドル(約7300億円)を超える恩恵をもたらす」と首脳会談後の記者会見で表明しているが、「その中身はどうなっているのか、直接影響を受ける農民になぜ公表できないのか」と迫りました。
農水省から「まだ合意されていないので何も答えられない。首脳間で署名されれば丁寧に説明する」の一点張りで公表を拒否。
トウモロコシの緊急輸入については「日米貿易交渉とは別。害虫(ツマジロクサヨトウ)対策の前倒し輸入で日本の自主的な判断で行ったもの。追加輸入ではない」「(余剰トウモロコシを日本が全量買うという)トランプ大統領の発言は、アメリカからの輸入が95%占める下での期待の現れとして述べられたものではないか」と答弁。「被害実態はどのくらいあるのか」との質問にも「現在調査中でつかんでいない」と実態をつかまずに275万トンもの輸入に踏み切る「自主的な判断」をしたというデタラメ答弁に終始しました。
TPP(環太平洋連携協定)の大枠合意の際には、数百ページに及ぶ文書を公表したにもかかわらず、農水省は今回、一切公表せず、9月末の首脳間での署名後に公表するというとんでもないもの。笹渡会長は「農民や国民の不安は大きい。交渉内容を明らかにできないのは、民主主義の根幹に関わる大問題だ」と厳しく批判しました。
参加者は、引き続き「農民・国民不在の大枠合意は撤回せよ、日米貿易交渉は中止せよ」の運動を広めていくことを確認し合いました。
(新聞「農民」2019.9.16付)
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