総自由化のなかで産地と米屋が
手を結び食と農を守ろう
東京会場
米屋さんと生産者をつなぐ交流会
農民連ふるさとネットワークは8月25日、都内で「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」を開き、生産者、米屋さん・卸業者ら約120人が参加しました。
ふるさとネットの根本敬代表が主催者あいさつ。日米貿易交渉などが進められるなか、「農民連食品分析センターの調査でも輸入小麦から残留農薬が検出されるなど国民の健康が脅かされている。農業後継者を育てる予算も削られようとしている。生産者と流通業者が交流しながら食と農を守る新しい取り組みが求められている」と述べました。
来賓として、一般社団法人日本米穀商連合会(日米連)の米澤治夫副理事長が、グリホサート農薬汚染、遺伝子組み換え食品のはん濫など食の安全が脅かされている実態を語り、「生産者と消費者が直接手をつなぎ、米屋も新しい分野に積極的に関わっていくことが大事」だと訴えました。
ふるさとネットの湯川喜朗事務局長が米情勢と農民連の取り組み方針を報告。「2019年産米は供給過剰で価格下落の可能性がある」と述べ、外米輸入のための主食用米減らしと備蓄米買い入れの本質を批判し、国は、価格の安定と需給コントロールの役割が求められていると指摘しました。
産地からの報告では、東北・北海道、関東、北陸の各ネットワーク、島根、福岡の生産者が壇上に立ち、各地の作柄、気候状況をはじめ、栽培の苦労や米のアピールを行いました。
その後、参加者は交流・意見交換会を行い、生産者と米屋さんが名刺交換をしたり、情報交換をしたりと時間いっぱい熱心に話し合う姿がみられました。また、米の試食をしながら、稲穂を手に交流する参加者もいました。
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稲穂を囲み試食しながら対話が弾みました |
農民連の吉川利明事務局長が、総自由化に対抗するうえでの分析センターの役割について述べ、募金を呼びかけました。
閉会あいさつを行った農民連の笹渡義夫会長は、日米の「大枠合意」などさらなる市場開放が押しつけられようとするなかで、「交流会の参加者が、国連『家族農業の10年』を力にそれぞれの運動を発展させよう」と訴えました。
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会場いっぱいに熱心に聞き入る参加者 |
参加者の感想
三河屋精米店(東京・江東区)の鈴木康夫さん、美津江さん
知り合いから誘われて初めて参加しました。昨年から島根の仁多米を取り扱ったところお客さんに好評で、他の店が扱っていないこともあり「次にいつ入るのか」と聞かれていました。今回は仁多米の生産者や新潟の新之助の生産者の話を聞きたくて参加しました。
全国規模で集まっているとさまざまな産地の情報が入ります。珍しい米を扱ってくれると、小売りとしても店の売りにできます。満足な交流ができて有意義でした。
島根・おくいずも農民連の田食道弘さん
東京会場には初めて参加しました。初めて会う人ばかりで話す時間が足りなく、話せた人とは有意義な交流ができました。仁多米のことは、大阪ではみんな知っていますが、東京では知名度はまだまだで、良い宣伝の機会になりました。
(新聞「農民」2019.9.9付)
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