「農民」記事データベース20190902-1374-08

エコひいき農業で野菜をつくろう!
第4回

堀 俊一


天敵のミニワールドを作ろう

 有機、無農薬栽培を始めてから目立って増えた天敵は、テントウムシ、クモ、アマガエルです。

 作物の生育初期や実りの時期には、害虫の被害が出やすいので防虫ネットをかけますが、その上にはよくテントウムシがいます。雑草が生えているうね間を歩くと、多数のクモがトンネルの上にはい上がります。それをトンネル内に入れてやりましょう。

画像
ガを捕まえたクモ

作付けする所だけ浅く耕うん
雑草を根こそぎ取らない

 わが家の畑の近くには農薬を使っている畑やトラクターで除草しているだけの裸地が多いので、当初は天敵が来るだろうかと心配でした。しかし、天敵はいつも田畑や野原を行き交っているようです。そして、わが家の畑を通ったときにえさと住みかを得て、住みついたのだと思います。作付けする所だけを浅く耕うんし、雑草を一挙に、根こそぎ取らないようにしているだけですが、天敵たちには魅力的な畑のようです。

畑10アール弱の広さで
天敵の定着が可能

 次に、天敵が定着するために必要な面積について考えてみました。わが家の畑は数カ所に分れていて、各々の区画(一まとまりの畑)は7アールくらいです。これくらいの面積で多種類の天敵が毎年発生するということは、天敵がそれほど広くない畑に定着できる、ということだと思います。

 言いかえれば、10アール弱の畑で天敵の再生産が可能だということになります。この天敵のミニワールドをつくりましょう。なお、これらのことは私の工夫や考え方であって、まだ一般化していません。

(新聞「農民」2019.9.2付)
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2019年9月

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