「農民」記事データベース20190902-1374-02

原水爆禁止2019年世界大会

核のない平和な世界へ

被爆者生きているうちに核廃絶を


9条改憲許してはならない

 広島、長崎の被爆から74年目の原水爆禁止2019年世界大会が8月3〜9日に開催されました。

 禁止条約の支持 保有国で広がる

 7日からの長崎大会には5000人が参加。開会総会の主催者あいさつで安斎育郎さん(立命館大学名誉教授)は「核兵器禁止条約は、アメリカの首都ワシントンや最大の州のカリフォルニア州でも条約への参加を勧告する決議があげられるなど核保有国でも支持が広がっています。にもかかわらず日本政府が背を向けていることに強い憤りを感じます。この現状を変えるために私たちの力を広く強く結集させなければなりません」と呼びかけました。

 被爆者を代表し日本原水爆被害者団体協議会代表委員の田中重光さんは「現憲法は広島・長崎で犠牲になった人々の無言の遺言です。9条を変え、戦争ができる国に絶対にしてはなりません」と訴えました。

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海外代表からヒバクシャ国際署名が被爆者に手渡されました

 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」呼びかけ人の広渡清吾東京大学名誉教授が連帯あいさつしました。広渡さんは「アメリカの言いなりになって日本を戦争の危険な道に引きずり込む安倍政権の転換をめざし、原水爆禁止運動に連帯してその発展に心から貢献したい」と表明しました。

 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長もスピーチ。「原発や核兵器は誰もが危険と知りながら、巨額の利権を求める醜い人の欲が人々を振り回しています。私たちがめざすのは、原発も原爆もない平和な世の中を作ることです」と話しました。

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各地の取り組みも紹介

 「青年のひろば」被爆者の衝撃の体験を聞き取り

 8日は、長崎市内各地で13分科会が開催されました。第9分科会「青年のひろば」では、青年が中心になって10人程度の班に分かれて被爆者の話の聞き取りなどを行いました。

 浦上天主堂近くのカトリックセンターでは5人の被爆者がそれぞれの体験を語りました。

 吉原春男さん(89)は戦争中の食糧難や、学校で行われた軍事教練の様子、海軍へ入隊が決まり待ちわびていたことなどを紹介。原爆投下後の長崎市内で遺体の片づけを素手で行ったなど、被爆直後の様子を語りました。

 参加者からは、「軍隊に入ることに疑問を持たなかったのですか」など質問も出て、軍隊に入るのは名誉なことと思っていたので何も疑問は感じなかった」との答えに衝撃を受けたようでした。

 最後に吉原さんは「戦争中は本当に大変な思いをした。絶対に戦争を繰り返してはならない。安倍首相のやろうとしている9条改憲は許してはならない」と青年たちに呼びかけました。

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吉原さん(奥)の話を聞く青年たち

 永遠に長崎を最後の被爆地に

 9日のナガサキデー集会では長崎原爆被災者協議会副会長の横山照子さんが被爆証言を行いました(証言は後日掲載)。

 「『私たちが生きているうちに、核兵器の廃絶を』と願いながら多くの被爆者が旅立ちました。被爆75年のNPT(核不拡散条約)再検討会議・国連ニューヨーク行動に、被爆者は最後の力を振り絞りみなさまとご一緒にがんばります。永遠に長崎を最後の被爆地にしましょう」との訴えに、会場中から励ましと連帯の拍手が起きました。

 集会では被爆の実相を学び広めることなど6つの行動を呼びかける「長崎からの呼びかけ」を満場の拍手で採択し閉会。被爆75年を迎える来年に向け、取り組みの強化を誓い合いました。

(新聞「農民」2019.9.2付)
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2019年9月

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