家族農業切り捨て姿勢に怒り
東北農団連
農政局に要請行動
東北農団連(会長・小林茂樹山形県農民連会長)は8月2日、東北農政局への要請行動に取り組みました。東北6県から21人が参加しました。
真剣さない姿勢
国連「家族農業の10年」について、「国の取り組みを具体的に明示し、専門の担当部局を設定してほしい」との声に対し、農政局側は「本省に伝える。これから検討していく」と繰り返すばかり。家族農業を支える政策の実施を求めたのに対し、「6次産業化・高付加価値化・集積化」を自助努力で行ったら支援の形を考えていくというような答えで、日本の食料・農業を支えている東北地方の部局としての真剣さを感じることはできませんでした。
日米FTA(自由貿易協定)交渉を中止することについて、農政局は「通商交渉については関与できない」というもので、多くの影響が懸念される農家に寄り添うものとは思えませんでした。参加者は、早急に日米FTAの農業への影響を試算し、公表すること求めました。
後継者育成の問題で、小林会長が「父親がデラウェアをつくっていて、息子が親元就農でシャインマスカットを始めた。次世代人材投資事業の申請をしたら通らなかった。あれこれ要件をつけて縛るのはやめてほしい。親元就農しようという若い者は宝だ」と訴え、ほかの参加者からも賛同の声が相次ぎました。
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農政局に要請する東北農団連のみなさん |
要件厳しく離農
圃(ほ)場整備事業について、法人化・集積などの要件が厳しく、離農を引き起こしているという参加者の声に対し、農政局からは、「集積を促進する農政」という原則が強調されましたが、同時に「集積・集約・法人化の『いずれか』が条件であって、『すべて』が要件ではない」と回答。
この点は現場の農家には十分に伝わっておらず、市町村や土地改良区などは集積・法人化があたかも絶対条件であるかのように強く進めているケースが多く、広く周知するべきだと思いました。
さらに、戸別所得補償制度については「制度は農地の集積を遅らせるばかりか、国民の理解を得られにくい」との後ろ向きの回答。参加者から「どうやって中小農家や環境を守るのかという視点が完全に抜けている」と怒りの声があがっていました。
(山形県農民連 石山浩行)
(新聞「農民」2019.8.26付)
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