「農民」記事データベース20190826-1373-04

福島切り捨て許さない

賠償遅れ、生産できず大損害

政府・東電に福島県農民連が要請


 福島県農民連は8月1日、「安倍政権と東京電力の福島切り捨てを許さない! 政府・東電要請行動」を行いました。

 福島県猪苗代町の花苗の生産者、渡部雅幸さんは「事故の後、避難を余儀なくされる人、家庭で花を植える人がいなくなり風評被害ではなく実害が出ているため農業者として賠償請求をしてきた。経営を回復させるために直売店を作ったことも、現場の東電社員にも説明しながら賠償請求を行ってきたが、理由も示されずに5750ページの追加資料を要求された」と怒りをあらわにします。

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生産者の悲痛な訴えをぶつけた要請行動

 さらに「賠償が遅れて種の仕入れができず丸々2作分の大きな損害が発生した。支払いが遅れましたでは済まない。なぜこんなことが起こるのか」と問いただしました。

 県連からも「これまでも繰りかえし現場との意思疎通の改善を訴えてきたのに全く改善されていないのではないか」と追及。東電は「連携が改善されていないと言われても仕方ない。資料提出の理由を説明しないのは連携以前の問題」と非を認め、「会社に持ち帰って改善を検討する」と約束しました。

 飯館村で計画されている汚染土の再生利用の実証事業について、中止を求めたのに対し、環境省は「村と協議の中で申し出があり実施することになった」と住民が望んでいるかのように回答。「住民が望んでいるわけではない。なぜ中間貯蔵施設に送るという約束をほごにして無理やり進めるのか」と国の姿勢を糾弾しました。

 また、2018年度の米の全袋検査の費用がいまだに全額賠償されていないことも追及し、東電は賠償支払いの実態調査を約束。19年度以降の全袋検査の継続についても「『ふくしまの恵み安全対策協議会』が判断すること」と責任を放棄する国と東電に対し、「いまだに事故の収束の見込みもない中で、全袋検査をやめようというのがそもそもの間違い。抽出検査に変えて基準値超過が見つかれば、二度と信用されなくなってしまう」と全袋検査の継続と検査費用の賠償を求めました。

(新聞「農民」2019.8.26付)
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2019年8月

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