結成30周年・家族農業の10年
要求実現運動を広げ
強く大きな組織づくりへ
農民連 役員・専従者研修会
農民連は8月4、5の両日、群馬県安中市内で「2019年農民連役員・専従者研修会」を開き、2日間を通して25都道府県連から約100人が参加しました。
笹渡義夫会長が主催者あいさつ。「とも育ち」の精神で、役員・専従者同士が学び交流し、英気を養って、農民連結成30周年、国連「家族農業の10年」スタートの年にふさわしく、主体的に役割を発揮しながら、夏から秋の運動を発展させる意義を強調しました。
参議院選挙の結果にもふれ、改憲勢力の3分の2を阻止した成果を強調。市民と野党の共闘をさらに進め、衆議院選挙で勝利し、「家族農業の10年」に沿った新しい農政をめざすために、「研修会を新たな発展のステップにしよう」と呼びかけました。
分析センターの一層の活用を
記念講演として、国連食糧・農業機関(FAO)駐日連絡事務所のチャールズ・ボリコ所長が、「国連『家族農業の10年』とFAO」のテーマで報告。FAOの役割や世界の食料・飢餓事情を詳しく報告し、「家族農業の10年」の意義について、わかりやすく説明しました。
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講演するボリコ所長 |
特別報告として、農民連食品分析センターの八田純人所長が「分析センターの25年の歴史と今日的役割」と題して講演。1995年に日本がWTO(世界貿易機関)に加盟し、輸入農産物が増加するなかで、96年に多くの市民と農民の募金で分析センターが発足し、その後、冷凍野菜・食品やベビーフードの残留農薬の摘発、スナック菓子の遺伝子組み換えの検出、輸入弁当の関税法違反の摘発など、食品衛生法や残留農薬基準値の改定などに大きな役割を果たしてきたことを紹介しました。
「消費者や生産者の立場で国の制度や民間企業の姿勢を変えていきくことができる日本で唯一の分析センターを支えてほしい」と訴えました。
安倍政権転換し日米FTA阻止
吉川利明事務局長が常任委員会からの提起を行い、緊迫する日米貿易交渉について、参院選後に協議が加速され、8、9月の相次ぐ首脳会談での合意の可能性が高いことを指摘。宣伝や申し入れなどを強め、日米FTA(自由貿易協定)阻止に全力をあげることを呼びかけました。
「家族農業の10年」と「農民の権利宣言」を力に安倍農政の転換を求める運動では、草の根の声を結集し、各地で「家族農林漁業プラットフォーム」の結成を提起。農産物総自由化とたたかう「運動の財産」、食品分析センターのいっそうの活用を呼びかけるとともに、さらなる発展のためにサポーター登録の強化を訴えました。
農民連を強く大きくする課題では、すべての都道府県連が税金に強い組織に成長し、当面会員20人に1人の税対部員、全国で500人を超える部員の養成をめざすこと、10月の全国代表者会議までに、参議院選挙で結びついた人々への新聞「農民」購読への働きかけを強めることを提起しました。
10月からの消費税増税を許さないためにも、8、9月を「やっぱりダメ消費税10%真夏の大行動」として取り組むことを呼びかけました。
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秋のたたかいに勇躍して取り組もうと誓い合いました |
夜の懇親会では、各ブロック、県の紹介、群馬の料理などを楽しみ、交流しました。
税金問題分散会 経験や悩み交流
5日は、税金問題の分散会を行い、税対部の長谷川敏郎部長が、「すべての都道府県連で税金の自主申告運動に取り組み、税対部員を増やし、仲間づくりの大波をつくろう」と問題提起。それを受けて、3つの分散会に分かれて、経験や悩みを交流しました。
最後に、真嶋良孝副会長が、緊迫した日米貿易交渉について述べ、「参院選の野党共闘で、各県ごとに農業問題を政策に盛り込んだ力を生かして運動を広げ、秋のたたかいにのぞもう」と閉会あいさつを行いました。
和歌山県連の山本侑季さんは「ボリコ所長の話を通じて、食べものをつくるだけでなく、社会をつくる家族農業の重要性を再確認した。分析センターは、とても素晴らしい理念のもとに活動されてきたことを知り、感動した。全体を通して、全国の農民連の方々の熱意をひしひしと感じた」と感想を寄せました。
(新聞「農民」2019.8.26付)
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