「農民」記事データベース20190729-1370-06

各地で66検体のGMナタネ発見

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
GMナタネ自生調査報告会


各地の継続した調査が
企業や自治体の変化を生む

 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは7月13日、今年の遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生調査の報告会を行いました。

 キャンペーンの纐纈美千世さんが全体報告を行いました。各地の生協が中心になって37都道府県で906検体を調査し、66のGMナタネを発見したことなどが報告されました。

 生活協同組合あいコープみやぎからは、調査に参加を念願していた生産者が参加したことや、毎回新しい参加者がいることが紹介されました。

 なのはな生協は鹿島港の調査を3月と4月の2回にわたって行い、4月の調査で今年もGMナタネが発見されたことを報告。

 生活クラブ連合会は、北は北海道から西は兵庫県までの19都道府県で調査を実施。鹿島港(茨城県)や横浜港(神奈川県)周辺で、西洋ナタネとカラシナや在来ナタネとの交雑種と思われるものも見つかりました。

 グリーンコープ共同体からは福岡の取り組みで抜き取りの本数が過去最高の3025本になったことが報告されました。また、報告後のシンポジウムのなかでも熊本県の取り組みで、市町村への要請を繰り返し行った結果、熊本市では調査に職員が同行。天草市では市が予算をつけて調査を行うようになるなど、変化が起きたことも紹介されました。

 コープ自然派事業連合が行った調査では、日本最大のナタネ輸入港の神戸港の自生が拡大し、構内の製糖工場の敷地内にまで群生が広がっていることが判明。神戸市と製油企業に申し入れを行い、ふ頭から工場へ運搬用のベルトコンベヤーに亀裂が入っていたことが明らかになりました。

 製油企業は申し入れに対し「GMナタネ自生の撲滅と予防に努めたい。調査と除草に協力したい」と真しに回答。また今後の調査や抜き取りを一緒に行うことも検討しています。

 報告した米田裕子さんは「調査を続けていたから今回の事態に気が付きました」と継続した調査の大切さを報告していました。

 遺伝子組換え食品を考える中部の会は22回目になるGMナタネ抜き取り隊を実施。継続して取り組んできたことで、2016年の抜き取り本数の激増がわかりました。製油企業に要請しエアカーテンの設置など対策を実行させてきたことを報告しました。

 後半はキャンペーンの天笠啓祐さんと遺伝子組換え情報室の河田昌東さん、農民連食品分析センターの八田純人所長の3人で「暴走する遺伝子操作技術」をテーマにシンポジウムを開催。ゲノム編集技術の詳細などが語られました。

 今回の報告で、はっきりとしたのは、行政や企業に働きかけを続けることで、対応の変化を作ることができることです。継続した調査がベルトコンベヤーの破損が見つかるきっかけになるなど、運動を続けることの大切さが際立つ報告会となりました。

(新聞「農民」2019.7.29付)
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2019年7月

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