「農民」記事データベース20190715-1368-07

農民連の仲間の果樹農家を訪ねて

6種類のブドウを生産
黒木玲二さん
=宮崎・都農児湯農民組合=


生産技術・情報共有し
地域みんなで農業を守る

 宮崎県の都農児湯(つのこゆ)農民組合会員の黒木玲二さんを訪ねました。

 黒木さんは都農町で2ヘクタールのブドウを生産。70年前、都農町で最初にブドウ生産に着手した永友百二さんの外孫にあたります。

 都農町では、町内を流れる名貫川より高所にある田畑では長い間、水の取り合いが集落で起きていたため、最初、都農ナシの栽培が始まりました。しかし宮崎県は“台風銀座”。ナシは台風の被害を受けやすいため、ナシに替わってブドウの生産が広がっていったそうです。現在でも都農町の旧家・赤木邸(国指定重要文化財)の庭には、最初に栽培されたブドウの木が残っており、少なくとも50年以上たった今でもしっかりと実をつけているそうです。

地域とともに歩む
農業は魅力いっぱい

 除草剤を使わず6月から草刈り

 黒木さんのブドウ園は何カ所にも分かれており、自宅近くのほ場でブドウ作りの話を聞くことに。15アールのそのほ場では6種類もの品種が生産されていました。

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ブドウ園で説明する黒木玲二さん

 訪ねた時はちょうどジベレリン処理の作業中。ジベレリン処理とは、種無しブドウにするために植物成長調整剤を一房一房に施す作業で、その前には芽かぎを行って球数をそろえていく作業もあります。これをしないと実がなりすぎ、樹体に負担がかかり、来年に影響を与えてしまうそうです。

 6月からは、除草剤を使わないよう、モアと呼ばれる草刈り機で3週間に1回、ブドウ園を回ります。また生産部会などで情報を共有し、生産性の向上や害虫対策を学び合いながら、地域農業を守っているそうです。

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一房一房手をかけて育てます

 この他にもさまざまな工程と農作業を見せていただき、おいしいブドウが食卓に届いていることがよくわかりました。

 黒木さん宅のお庭には、プラムやビワ、サンショウ、だいだい、アーモンドなどいろいろな木々が植えられており、とくに「ゆすら梅」の木にはサクランボに似た赤い実が鈴なりに実っていて、とても目立ちました。

(新聞「農民」宮崎県連版から)

(新聞「農民」2019.7.15付)
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2019年7月

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