「農民」記事データベース20190715-1368-04

県は種子条例の制定を

島根県農民連

関連/家族農業の10年広げよう


知事あてに要請書を提出

 島根県農民連は6月26日、丸山達也島根県知事に種子条例制定を求める要請書を提出しました。

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要請書を手渡す長谷川会長(左から3人目)

 要請書を受け取った鈴木大造農林水産部長は、「知事から結論にとらわれず検討するよう指示を受けている」と回答。

 長谷川敏郎県連会長は、条例制定の必要性とともに農業技術センターを紹介した7月1日付新聞「農民」の記事を見せ、「現場の努力に応えるためにも、条例制定でしっかり支援を」と要求しました。

 島根県連は県内の自治体議会に、国には主要農作物種子法(種子法)復活、県には種子条例制定を求める請願や陳情を提出。6月定例会で採択した安来市や奥出雲町から農民連会員の議員が参加し、議会審議のもようを伝え、農民連だけでなく多くの議員の賛同があったこと、さらに、浜田市議会、吉賀町議会、津和野町議会、大田市農業委員会でも意見書を提出するなど、県内の広がりを紹介しました。

 奨励品種の指定や圃(ほ)場審査の権限の根拠になった種子法が廃止され、根拠法がない中で農家への種子の安定的供給を不安視する声に、鈴木部長は「県はセーフティーネットとして機能を果たす」と明言し、「何とか、形にと考えている」と答えました。

 要請行動の反省会で、日本共産党の尾村利成、大国陽介両県議から、自民党議員の中でも動きがあることが報告され、さらに各議会や議員への働きかけ、各種団体との共同の取り組みを広げていけば、条例は実現できることを確認しました。


家族農業の10年広げよう

たねと食とひと@フォーラム
2氏が記念講演

 「たねと食とひと@フォーラム」は6月29日、記念講演会を東京・明治大学で開催しました。

 吉森弘子共同代表が「今年から国連の『家族農業の10年』が始まっています。種を通して様々な人達とつながっています。みなさんと一緒に運動を広げていきましょう」とあいさつしました。

 講師は京都大学大学院経済学研究科教授の久野秀二さんと、岐阜県郡上市で、「たねのがっこう」を主宰する無肥料栽培家・環境活動家の岡本よりたかさん。

 久野教授は、「農業のあり方、消費者・市民の関わり方を考える――オランダ農業の経験から」のテーマで講演。アベノミクス農政が「強い農業・攻めの農業・もうかる農業」を旗印にオランダ農業をモデルにしていることを指摘しました。

 オランダでは産業競争力政策として、地域経済社会の活性化をめざすものと国内大手企業や多国籍企業中心の2つのフードバレー構想を計画。人口約11万人のエーデ市では、市民が農と食に対する意識を高め、持続可能なフードチェーンに参加することを促すプロジェクトを実施していることを紹介しました。

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参加者の質問に答える久野教授

 岡本さんは、「採種権利を守るためにできること・種は誰のものか?」と題して報告しました。

 主要農作物種子法廃止による種子生産への影響や農家による自家増殖の必要性を訴え、種取りワークショップやプランター栽培講座などの実践を報告しました。

(新聞「農民」2019.7.15付)
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2019年7月

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