こんなすてきな女性農業者が
農民連会員に
新規就農して西洋野菜を栽培
今川優子さん
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新会員迎えて交流会
笑顔と話題いっぱい
兵庫
「農業のこと、税金のこと、農民連で多くのことを学びたい」「こんな素敵な女性農業者に農民連の会員になってもらえて、本当によかった」――税金対策部員養成講座を県独自で開くなど、税金申告の取り組みに力を入れてきた兵庫県農民連で、新たな加盟が相次いでいます。新しい仲間の中には、子育て世代の女性の新規就農者も。新しい仲間が加わり、笑顔いっぱい、にぎやかに丹波市で行われた兵庫県農民連女性部の集いにおじゃましました。
家庭菜園で農業に魅せられて
新会員で、3人の子どものお母さんでもある今川優子さんは、2年前から加東市で西洋野菜を30アール作っている新規就農者。自然豊かな加東市に移り住み、家庭菜園をするうちに土いじりの楽しさに魅せられ、「もっと本格的に農業したい」と、いつもの散歩道の途中にある耕作放棄地に目が向くようになりました。
しかし近所の人に聞いても土地の持ち主はわからず、まずは市役所に足を運び、「農業をしたい」と相談。そこで紹介されたのが、地域の農会長さんでした。「初めは会ったこともない人に相談に行くのはすごく勇気がいったんですけど、話してみたらすごく気さくなおっちゃん(笑)で、今ではとても大切な“農友”です」と今川さん。
農会長さんから、放棄されて10年の林のようになっていた農地を紹介され、今川さんはチェーンソーや草刈り機を繰り、一人で1年半をかけて畑に戻したそうです。
「でも毎日、一人でまじめに作業していたら、だんだん村の人が助けに来てくれるようになって。本当は村の人もその放棄地は困っていたらしくて“アンタ、本気でやるんか”って重機を出してくれたり、誰かが毎日来てくれて」
今では「うちの畑も」という話が次々に舞い込むほど、周囲の農家からも信用されるようになりました。
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兵庫農民連女性部の皆さん。前列右端が今川さん |
いずれは地域の農業守る力に
農友の農会長さんの薦めもあって、兵庫県の農業大学校にも通い、県内の有機農家にも通って研修。2年前から有機無農薬で西洋野菜を栽培し、レストランなどに契約出荷しています。
「太陽の下で鳥の声を聞きながら、毎日大好きな農業ができて、本当に充実した生活です。地域の農業は高齢化してすごくたいへん。本当にたくさんの人に支えてもらっているから、まずは自分の農業経営を安定させて、いずれは私も地域の力になって返していきたい」と、考えも及ばないような大変な経験も、とても楽しそうに話す今川さん。そのバイタリティに、女性たちも一気に魅せられてしまいました。
“税金に強い農民連”は
仲間作りの大きな力
ママ友の会員が入会の契機に
そんな今川さんと農民連との出会いは、同じ加東市の農民連会員で、女性部部長を務める古跡清美さんでした。2人は小学校3年生の娘さん同士が仲良しで、日ごろから子育てを相談しあうママ友達でもあります。
就農したばかりなのに、夫の雇用収入があるために納税額が重くなっていた今川さんが、地域の農民連の活動家でもある古跡さんの義父に相談し、農民連を紹介されたのが、加入のきっかけでした。
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おしゃべりしながら近くの“カタクリの里”を散策 |
兵庫県農民連では、6年前から税金で仲間を増やせるようにしようと、当時、奈良県農民連の事務局長だった竹島茂直さんを講師に招き、税金対策部員養成講座を継続してきました。いまその成果が、会員が税金で紹介できるほどの信頼となって表れてきています。
「農民連には税金申告ではとても助けられました。同世代のママ友の清美さんがいたから、入りやすかったです」と今川さん。清美さんも高校生を筆頭に5人の子どもを育てながら夫と、水田と露地野菜、桃と一年中農作業に大奮闘中の農業女性。2人の話題は尽きることがありません。「農民連女性部の大先輩たちの知恵や生き方を、私たち世代が引き継いでいきたい」という二人に、周りの女性たちも大きく励まされています。
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愛知・津島市 桜井久美子 |
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長野・小諸市 布施和子 |
(新聞「農民」2019.4.29付)
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