「農民」記事データベース20190408-1355-03

日米FTA

「交渉入り」を明記

アメリカ大統領経済報告


「カモネギ」安倍首相
4月に首脳会談を提案

 安倍首相は4月下旬に訪米し、首脳会談を行うことを提案しました。すでにトランプ大統領は5月下旬と6月に来日することが決まっています。これで4、5、6月の3カ月連続の日米首脳会談が開かれることになります。

 「TAG」と言い張る安倍政権

 これは、日米FTA(自由貿易協定)を焦るトランプ政権に絶好の圧力の場を与えるもの。安倍首相の提案は“カモがネギを背負って訪米”するようなものです。

 安倍政権は相変わらず「日米FTAではなく、物品貿易協定(TAG)だ」と言い張っていますが、アメリカ側は断固として「日米FTA」だと強調しています。

 トランプ大統領は3月19日、議会に「大統領経済報告」を提出。これは「一般教書」「予算教書」とならぶ3大教書であり、次のように明記しています。「日本、EU、イギリスとの自由貿易協定(free trade agreement)交渉に入る。これらの協定は、農業・工業・サービスを含む分野の貿易障壁を削減し、アメリカに利益をもたらす」

 また、同報告は「市場vs社会主義」という章を立て、民主党大統領候補による「国民皆健康保険制度」の提案を社会主義だと厳しく批判しています。この論法でいけば日本の国民皆保険制度も「社会主義」ということになります。

 TPP(環太平洋連携協定)交渉でも日本の健康保険制度・薬価制度に対する攻撃が繰り返されましたが、トランプ政権のもとで行われる日米FTA交渉では、攻撃がさらに厳しくなることは必至です。

 日米FTA交渉入りは中止せよ

 TPP11、日欧EPA(経済連携協定)が動き出し「農産品輸入、米国離れ」現象が浮き彫りになっています。とくに2月の豚肉輸入は欧州産が1・5倍にふくれあがる一方、アメリカ産は14%減、牛肉でもカナダ産が5・3倍になっています。

 これに焦って圧力を強めるアメリカ言いなりになることは断じて許されません。私たちは「カモネギ訪米」中止、日米FTA交渉入り中止を要求します。

(新聞「農民」2019.4.8付)
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2019年4月

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