「農民」記事データベース20190325-1353-11

旬の味


 東日本大震災、そして原発事故から丸8年だ。8年前、耳慣れないマイクロシーベルト、ベクレルなどの単位が何を示しているのか、目に見えない、においもない放射能がどこに存在しているのか、不安と恐怖の中での生活だった▼そして避難者支援で車を走らせていると、春は確実に近づいているのに、野良に立つ人もなく、春耕の音もない静寂さが、とてもわびしかったのを覚えている▼人生の選択に迷いながらも農業を継続しつつ起業もし、「福島を見てほしい、現場に来てほしい」と発信し続けた長女は先日、農山漁村女性活躍表彰の若手女性チャレンジ部門で農水大臣賞優秀賞をいただいた。農業体験と被災地見学ツアーを実施し、地元の農家民宿を使用という企画は毎回好評だった▼大学生の受け入れも積極的に行い、経験を伝え福島の今の情報を持ち帰ってもらうための活動、異業種の方々と取り組んだマルシェ開催など、がんばった姿が認められたのだと思う。ご支援いただいたみなさんに感謝したい。

(ま)

(新聞「農民」2019.3.25付)
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2019年3月

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