インタビュー
農民連結成30周年にあたって
全日本教職員組合(全教)委員長 中村尚史さん
子どもたちの命と健康守るため
今後も重要な役割果たしてほしい
わたしは大阪府で中学校の教員を務め、2008年に全日本教職員組合(全教)の専従として東京に出てきました。食健連の担当も経験し、17年4月から中央執行委員長を務め、この3月で退任します。実家は和歌山県で小さな兼業農家でしたので、農業の大変さは身に染みています。
地域の生産者と学校が協力して
栄養教員部の担当ということもあって食健連では学校給食の運動に農民連と一緒に取り組み、地場産の利用・地産地消の大切さを改めて学ぶことができました。地域の生産者と学校が協力して地場産のものを使うことで、安心・安全な給食ができるだけでなく、地域の経済や社会や暮らしている人たちのことを子どもたちが知る機会にもなっています。
今、貧困と格差が拡大する中で、まともな給食を提供する必要性が高まっています。また、本来給食は無償で提供されるべきと思います。無償化についても各地の食健連や教職員組合などの運動により実現が始まっています。今後、ますます重要な取り組みになると思います。
食の安全が成長期の子どもたちに与える影響は大きいので、TPP(環太平洋連携協定)や日欧EPA(経済連携協定)などで地域農業が破壊されることは、子どもたちの健康や発達に大きなマイナスになります。
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宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫の義援金を手渡す中村さん(右から2人目)=2010年6月4日 |
日本農業支える仕組みを作ろう
農地を守ることは治山や治水、景観を守ることにもなります。それが今は一人一人の農業従事者の責任にされてしまっています。国が支える仕組みを作らないと日本がダメになると強く思います。
経済主権を確立するためにも、食料自給率を上げて日本農業を振興していくことが重要です。国民の命に直結する重要な課題であり、農民連が果たしている役割は大変大きいものがあります。
また新聞「農民」は、日本の農業がどうなっているのか、どこへ向かっているのか正確に知るうえでも重要な役割を果たしており、子どもたちの命や健康を守るためにもなくてはならない新聞です。
農民連と新聞「農民」が、今後もさらに大きな役割を果たされることを願っています。
(新聞「農民」2019.3.18付)
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