「農民」記事データベース20190311-1351-11/FONT>

旬の味


 この季節、私の住む東京・世田谷の住宅街を歩くと庭の木々で目立つのが夏みかんです。鮮やかなオレンジ色の大きな実がたわわに実っているので目につきます▼初夏にみかんの花のにおいを漂わせながら白い花を咲かせ、この寒さのなか、収穫の時期を迎えます。爽やかですっぱい夏みかんをわが家ではマーマレードにして、友人たちに「旬の味」として届けます▼実ったものを無駄なく使い、おすそ分けしてうれしい気持ちをプレゼント。最後の一個までにおいを楽しみながら煮詰めていく作業は続きます。マーマレードが口に合う方からは、「絶品ね」とうれしい反応もあり、食べ上手、もらい上手な人がいてくれるならと毎年の行事になっています▼あるお宅では門の前にかごに入れた夏みかんを置き、「自由に持っていってください」と貼り紙をしています。地域の方たちを喜ばせてくれるやり方です。余ったものを欲しい方に使ってもらえたらと思う心遣いが住み心地よい場所にする一歩かもしれません。

(澄)

(新聞「農民」2019.3.11付)
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2019年3月

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