いま注目される除草剤グリホサートの有毒性
大豆にグリホサート?
第21回大豆畑トラスト運動全国交流会
「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は2月17日、大阪市の秀明神崎センターで、第21回大豆畑トラスト運動全国交流会を開きました。
天候や鳥獣害とたたかい
生産守る取り組みリアルに
恒例のランチ交流会では、秀明自然農法ネットワーク(秀明)のみなさんが用意した大豆尽くしの料理を囲み、おなかを満たしました。
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大豆尽くしの昼食を楽しみました |
はじめに、国際環境NGOグリーンピースが作製した映画「グローイングダウト〜つのる不安〜」を鑑賞。除草剤グリホサートが健康にもたらす悪影響を鋭く告発しました。
キャンペーン代表の天笠啓祐さんが「危険!グリホサートと汚染食品」のテーマで講演。発がん性、神経毒性などグリホサートの有毒性について説明し、遺伝子組み換え作物の登場で使用量が急増したことに加え、残留・使用基準の緩和によって、メーカーが、ホームセンターなどでの購入、家庭菜園での使用や大豆への収穫前の使用を促す宣伝を強めている現状を語りました。
天笠さんは、汚染の実態を把握するためにも、農民連食品分析センターを利用した検査運動への参加を呼びかけました。
次に、秀明種苗部の中本浩史さんが、主要農作物種子法が廃止されたもとでの種の保存活動の重要性を、各地の実践を示しながら説明しました。
大豆生産者による生産地からの報告では、各地で天候や鳥獣被害とたたかいながら、大豆生産に励んでいるリアルな取り組みが報告されました。
兵庫県農民連事務局の田中眞一郎さんは、生産者である橋本早苗さん(神戸市)の大豆づくりについて報告。昨年6月の豪雨、7、8月の少雨、その後の台風などで収量が非常に少なく、加えてイノシシの襲撃やシカのよる食害などに悩まされた経験を語りました。同時に、農家が農業で生活していけるような大豆の価格実現の必要性を訴えました。
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報告する兵庫県農民連の田中さん |
ひょうご大豆畑トラスト運動の奥谷勉さんは、豪雨、台風などで最悪の収量だった(市島町)など、ベテランの生産者でも経験したことのない作柄だったことを振り返るとともに、トラスト運動に取り組んでいる農民連など他の産地との協力の重要性を呼びかけました。
マルカワみそ(福井県)の河崎宏さんは、収穫量が少なく、やめることも考えたものの、「やめたら誰がつくるのか。日本の農業は日本の農家が支えなければならない」と継続する強い決意を述べました。
秀明関西ブロックからは、大阪の辻川祐喜さんと兵庫の小林一雅さんが報告。小林さんは、地域の農家が高齢化で、雑草の手入れができず、水路や畔に除草剤を散布した結果、畔に草が生えず、枯れた状態になるなど、景観が壊れてしまった実情を語るとともに、若い人が農業に参入できる体制づくりと、それを支える消費者への感謝の言葉を述べました。
最後に、天笠さんが「困難なときに生産者を支えるのが大豆畑トラスト運動の精神。生産者とつながり、一緒に運動を大きく広げましょう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2019.3.11付)
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