「農民」記事データベース20190225-1349-08

農家が得する
税金コーナー
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年金と米作り

 「年金400万円以下は申告しなくてもよくなりました」の宣伝文句に、これで税金申告から開放されたと思っている人はいませんか。また、役場などで申告すると「農業の赤字は0で申告してください」と言われた方はいませんか。

 米価は40年前と同じ水準、経費は毎年上がっています。米作りの8割以上を担う兼業農家の多くは大赤字。それでも先祖代々の田んぼを荒らさないようにとがんばって米を作り続けています。所得税法(69条)では、農業の赤字を他の所得と損益通算できると規定しています。この赤字を申告するのとしないのとでは大違いです。収支をしっかり計算して還付請求しましょう(『税金対策の手引き』8〜9ページ)。

 過去の確定申告の事例に従ってみていきましょう。

 年金と米作り兼業農家のAさん。以前は役場申告で、農業の赤字は申告しなくてもよいといわれ、申告してきませんでした。しかし、農民連の相談会に参加し、損益通算できることを知り、やってみると年金から天引きされていた源泉税1万3762円が戻り、市町村民税もかからなくなりました(『手引き』52ページ)。

 また、合計所得金額が33万円以下となったために国保税の均等割・平等割が7割軽減(『手引き』57ページ)、介護保険料も軽減され(『手引き』55ページ)、所得税・住民税・国保税・介護保険料の合計で約23・3万円も節税できました。

 さらに合計所得が38万円以下なので息子の扶養にもなることができ、息子さんも還付が受けられました(『手引き』36ページ)。

 家族中で見直すことで、大きな節税となりました。

 こんな方がまわりにいませんか。税金の自主申告運動を呼びかけ、農民連への加入をすすめましょう。

(新聞「農民」2019.2.25付)
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2019年2月

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