「農民」記事データベース20190211-1347-08

農家が得する
税金コーナー
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所得税・消費税・何でも相談会
各地域支部で開かれる
岡山

 年末から新年にかけて、岡山県の各農民連支部で「税金・何でも相談会」が開かれています。1月11日には、岡山市南区の興除公民館で行われ、組合員や新聞「農民」読者ら十数人が集まりました。

 初めに話題になったのは、昨年の稲の不作のことです。「3等米がでた。初めてのことや」などの感想が出されました。

 その後、坪井貞夫顧問が12月12日に農民連本部が開催した国税庁・財務省の消費税説明会に参加したことを報告。「政府職員は農家の実態をわかっとんのか!」などの怒りを含めた発言が相次ぎました。

 とくに関心を集め、批判が相次いだのは、販売手数料・市場手数料込みの売上金です。これまで委託販売手数料等を差し引いた金額を課税売上額としてきましたが、これからは手数料を含めた総額を課税売り上げにしないといけないというものです。

 そうなると、これまで、免税事業者だった人も課税事業者になりかねません。10%への増税以外にも大きな負担増が押しつけられます。

 もう一つの問題は、「農協等を通じて取引される農産物等に対する特例」です。農協法に基づく「農業協同組合・農事組合法人」が対象であり、無条件委託販売方式、共同計算方式による農林水産品の譲渡については、農家の適格請求書(課税事業者で税務署に登録し、登録番号をもらった人が発行できる)等の発行義務を免除し、当該卸売市場、農協等から交付を受けた書類(および帳簿)の保存で仕入税額控除を可能とする、というものです。

 ある地域は、JA以外に米・麦(ビール麦)を取り扱う業者が複数存在し、みな株式会社や有限会社の個人経営商店です。農協法に基づかない企業です。「たとえ農協と同じことをやったとしても、会社ではダメです」とはっきり言われました。「業者はそのことを知っているのか」「多くの非課税農業者はどんな扱いになるのだろうか?」など不安が噴出しました。

 さらに大問題になったのは、現行制度では、農作業受委託契約等による農産物の販売金額は受託者の譲渡金額として委託者に支払う金額を課税仕入れにかかる金額としても差し支えない、としていたものが、「軽減税率取扱通達」で「適用しない」とされたことです。

 受託者はそれぞれ委託農家に、その田畑で収穫された農産物ごとに委託農家にその詳細の報告を求められるのではないか、そんな実務をすることはとてもできない、という話になりました。「農業と農家を、税金制度を利用してつぶしてしまうのか」と怒り心頭です。

 消費税は、知れば知るほどとんでもない制度であることだけは、みんな理解し、「何としても廃止するしかない」と参加者全員が家族を含めて署名し、用紙を持ち帰る人も生まれました。

(新聞「農民」2019.2.11付)
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2019年2月

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