「農民」記事データベース20190121-1344-09

旬の味


 雪交じりの肌寒い風が吹く日曜日。“ヨイショッ、ガンバレ”のかけ声のなか、餅つき交流会が開催された。のべ180人の参加者は、つき立てのお餅に舌鼓を打った▼東日本大震災・原発事故から8年近くになろうとしている中、全国にバラばらになってしまった浪江町民約300人のみなさんは、福島県二本松市の県営石倉団地で2年前から新たに生活を始めている▼帰りたくても帰れない故郷を思いながらも、助け合い、自治会組織をつくっている。自治会のみなさんとともに、けんちん汁、あんこもち、きな粉もちを準備し、甘酒をふるまった。民謡あり、歌声ありの交流会のあとは、浪江町の方のお話▼帰還できない地区は、5年後に住宅除染が始まる予定だが、遅れ遅れになり、見通しがたたないなどの苦悩を聞いて、いまだに続いている原発事故の数々の問題を感じずにはいられない。“復興しています”とともに“福島の人々の生の声を聞いてください”のアピールも一緒にしなくては、と思う。

(ま)

(新聞「農民」2019.1.21付)
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2019年1月

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