「農民」記事データベース20190121-1344-08

自慢の逸品

広島 世羅町
猪肉燻製(ししにくくんせい)
製造・販売 いわた屋


試行錯誤でジビエ(獣肉)を加工
松枯れと木材利用減でイノシシ増加

 農業者の“宿敵”となっているイノシシを食うという意趣返しの逸品、「猪肉燻製(ししにくくんせい)」を紹介します。

画像
これはスペアリブ

 わが広島県世羅町では、昼間でも12〜13頭のイノシシの親子連れが車道を横切るのに出くわすことがあります。一晩で畑1枚まるごと作物がイノシシに全滅させられたという話も珍しくありません。耕作地防護に、ワイヤーメッシュ(鋼鉄製の網)の柵などをめぐらせても、簡単に突破されることも多くあります。

 イノシシが里に出没し、農作物に害を及ぼす厄介者になったのは、そんな昔のことではありません。当地では1991年のリンゴ台風の塩害で、当時、進行著しかった松枯れがさらに深刻化し、松が衰退。山が落葉広葉樹林になって、イノシシのエサが増加したため、生息密度が高まりました。

 さらに杉やヒノキの植林が木材の輸入自由化で採算が悪化し、放置されるようになり、化石エネルギーへの移行で燃料としての木材利用も減少。山裾には竹、自然薯や葛(くず)、柿、桑などが自生し、姿が隠せてエサも豊富という「ヤツらの楽園」になっているのが、イノシシがここまで増えた理由でしょう。

 「猪肉燻製」は、わなや猟銃で捕獲したイノシシを解体して作っていますが、レシピは企業秘密! 苦心の作のピックル(調味)液にじっくり漬け込み、ていねいにいぶして作っています。

 製造・販売は、地域密着スーパー兼精肉店の「いわた屋」さん。ご主人の岩田健さんは、試行錯誤を重ね、自慢の獣肉(ジビエ)加工品を作り上げてきました。「道の駅世羅」でも人気の商品。「いわた屋」のホームページから購入もできます。

(広島県農民連 木戸菊雄)

「猪肉燻製」▼価格200グラムブロック900円(税込み)など ※タン、スペアリブ、ウインナーなど各種あり ▼製造・販売いわた屋 ▼住所広島県世羅郡世羅町小国4666―1 ▼問い合わせ電話 0847(37)1054 ▼ホームページiwataya.net または「いわた屋 世羅町」で検索を。※クール便で全国発送できます。

(新聞「農民」2019.1.21付)
ライン

2019年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2019, 農民運動全国連合会