「農民」記事データベース20190121-1344-02

2019年は憲法にとって正念場の年

今年の展望を聞く

総がかり行動共同代表
高田 健さん

 安倍首相が年明けから改憲発言を重ねるなか、2019年を改憲を許さず、平和、いのち、人権が輝く年にすることが求められています。「許すな!憲法改悪・市民連絡会」事務局長で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表の高田健さんに、今年1年の展望を聞きました。


市民と野党の共闘を広げ、
参院選で改憲ノー!の審判を

 大きな成果を勝ち取った18年

 2018年は、憲法を守る私たちにとって大きな成果を勝ち取った年でした。まず、改憲に執念を燃やしてきた安倍内閣ですが、とうとう憲法「改正」の発議ができませんでした。それだけでなく、憲法調査会では、自民党改憲案の提案すらできなかったのです。

 なぜ、発議できなかったのか。昨年秋の臨時国会では、入国管理法、水道法、「働き方改革」一括法など個別の法案では、自公勢力の数の力で強行採決されてしまいましたが、それらに反対するさまざまな運動が連携して盛り上がりをみせ、野党とも協力しながら安倍政権を追い詰めていったのです。これはまさに、野党の結束と憲法を守る私たちの運動の大きな勝利でした。

 なかでも、6月時点で1350万人分を集めた、安倍改憲に反対する「3000万人署名」が大きな力になったことは言うまでもありません。

 改憲に執念を燃やす安倍政権

 安倍政権は引き続き、改憲に執念を燃やしています。昨年末に決定された新「防衛大綱」では、空前の大軍拡に突き進もうとしているのと同時に、従来の「専守防衛」をかなぐり捨て、自衛隊の「外征軍化」、つまり、海外で戦争する軍隊への変貌がねらわれています。解散権を乱用して衆参同日選挙をしかけてくる可能性をちらつかせており、通常国会でも改憲発議を強行する姿勢を崩していません。2020年の「新憲法」施行に並々ならぬ意欲を燃やしています。

 がんばれば勝利 できる二大選挙

 2019年は、憲法にとってどんな年になるのか。春の統一地方選挙と沖縄・大阪衆院補選から夏の参議院選挙へと続く「選挙イヤー」です。

 まず第1に、通常国会中に、つまり参議院選挙までに何としても改憲発議をさせないことが重要です。そして第2に、参議院選挙で改憲勢力に、改憲発議に必要な3分の2の議席を許さないことが求められています。

 これらは簡単なことではありませんが、がんばれば勝利できると思います。参議院選挙で、立憲野党が3分の1以上の議席をとることができれば、安倍政権退陣への道が開かれます。退陣に追い込んだエネルギーが日本の新しい政治を生み出すことに期待しています。

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「安倍改憲ノー!」。12月19日の国会前総がかり行動で

 ひろがった運動 今がんばるとき

 昨年の沖縄県知事選挙の勝利を確信に、全国の市民運動はいまがんばりどきだと思います。「3000万人署名」は全国津々浦々で草の根で取り組まれています。引き続き、3000万人の目標めざしてがんばりましょう。

 また、5月3日の憲法記念日にはかつてない規模の大集会(東京・有明防災公園)を予定しています。この日を結節点に改憲阻止の運動を盛り上げていきたい。

 これらの運動の盛り上がりが、野党共闘の成否を左右するといっても過言ではありません。立憲主義の擁護、安保法制の廃止、9条改悪の阻止、個人の尊厳を擁護する政治の実現という大原則を前提に、5野党1会派の力強い共闘態勢を確立して参議院選挙に臨み、3分の1以上を勝ち取りたいと思います。

 いま、総がかり行動などを通じて、全国各地で、運動が広がっています。各層各分野で超党派での運動を展開することが大事です。

 その点で、農民連のみなさんも農業の分野で重要な役割を果たしています。ぜひがんばってください。

(新聞「農民」2019.1.21付)
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2019年1月

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