「農民」記事データベース20190107-1342-02

2019年 明けましておめでとう

国連「家族農業の10年」
今年からスタート


農民の権利宣言 国連総会で可決
農民守る新たな国際的枠組み成立

日本政府は棄権

 農民と農村生活者の権利を守る国際的な枠組みが新たに誕生しました。「農民と農村で働く人々の権利宣言(農民の権利宣言)」の採決が国連総会本会議で12月17日に行われ、賛成121、反対8、棄権54で可決、成立しました。日本政府は棄権しました。

安倍官邸農政とのたたかい、
農山漁村再生の力に

 宣言成立で各国は今後、宣言を実現する施策を国内で実行することが求められます。今年から始まる国連「家族農業の10年」とあわせ、安倍政権の官邸農政とたたかい、危機的状況にある農山漁村を再生する力になることが期待されます。

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国連総会で「農民の権利宣言」の採決(12月17日、ビア・カンペシーナのツイッターから)

 宣言は、農民をはじめ農村で働く人すべてが農林漁業や関連産業などで生活することを権利とし、その保障や支援は国や国際機関の責務と位置付けている点で画期的です。「家族農業の10年」と同様に、小規模生産者を再評価し、振興していく世界の流れに沿った動きです。自由貿易や企業の農業参入、大規模化・輸出産業化を進め、小規模生産者を敵視する安倍官邸農政とは真逆です。

 全28条の中には、(1)食料・農業政策を自ら決める食料主権、(2)種子に対する権利(自家採種の種子を利用、交換、販売する権利、十分な質と量の種子を適切な時期に手ごろな価格で利用する権利)、(3)土地、天然資源、生産手段に対する権利、(4)適切な所得を得る権利、生活を保障する価格で生産物を販売する権利、(5)農村女性の権利、(6)労働組合や協同組合の奨励――が含まれます。

 農民の権利宣言は農民連が加盟する国際農民組織ビア・カンペシーナが最初に提唱。17年におよぶ運動の成果がようやく実りました。

 ビア・カンペシーナの代表を務めるエリザベス・ムポフ国際調整委員会責任者(ジンバブエ)は、「この宣言は農民と農村で働く人々の権利を保障し、実現するための重要なツールだ」と歓迎し、すべての国に対して、宣言に沿った政策を国内で実施するよう求めました。

 ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、「この宣言が、農民と農村で働く人々の権利と尊厳を擁護・保護する各国の取り組みをあらゆるレベルで強化することにつながるように期待する」と強調しました。

(新聞「農民」2019.1.7付)
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2019年1月

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