本の紹介
タネはどうなる?!
−種子法廃止と種苗法運用で−
元農林水産大臣・弁護士 山田正彦
「タネは生きている。命を次の世代へとつなぐもので人類の遺産である。しっかりと守らなければならないと考える」――。本書のまえがきからの引用です。
主要農作物種子法(種子法)が廃止されたもとで、「自家採種ができなくなるのではないか」と多くの農家が不安を抱えています。
一方で、地方議会からは「公共品種を守ることを求める意見書」が次々と採択され、各都道府県では、条例をはじめ、種子を守る施策が施行されています。「日本の種子(たね)を守る会」も設立され、市民、農家の運動も広がっています。
農水省は、「植物の新品種の保護に関する国際条約」(UPOV=ユポフ=91)で認められている農民の「自家増殖」の権利を「原則禁止」との方針を打ち出し、種苗法の「改正」で、農民の「種子への権利」を奪おうとしています。
さらに、多国籍企業による種子支配の動きも強まっています。
本書は、こうした動きを詳細に追跡しながら警鐘を鳴らし、今後の対応策、運動のあり方を提起しています。
今後、種苗法の「改正」など、自家採種がより困難になってくるもとで、「農民の権利」を守るための大きな力を本書は与えてくれます。
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株式会社サイゾー TEL 03(5784)0790
B6判266ページ
定価 1300円+税
(新聞「農民」2018.12.10付)
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