「農民」記事データベース20181210-1339-09

本の紹介

タネはどうなる?!
−種子法廃止と種苗法運用で−

元農林水産大臣・弁護士 山田正彦


画像  「タネは生きている。命を次の世代へとつなぐもので人類の遺産である。しっかりと守らなければならないと考える」――。本書のまえがきからの引用です。

 主要農作物種子法(種子法)が廃止されたもとで、「自家採種ができなくなるのではないか」と多くの農家が不安を抱えています。

 一方で、地方議会からは「公共品種を守ることを求める意見書」が次々と採択され、各都道府県では、条例をはじめ、種子を守る施策が施行されています。「日本の種子(たね)を守る会」も設立され、市民、農家の運動も広がっています。

 農水省は、「植物の新品種の保護に関する国際条約」(UPOV=ユポフ=91)で認められている農民の「自家増殖」の権利を「原則禁止」との方針を打ち出し、種苗法の「改正」で、農民の「種子への権利」を奪おうとしています。

 さらに、多国籍企業による種子支配の動きも強まっています。

 本書は、こうした動きを詳細に追跡しながら警鐘を鳴らし、今後の対応策、運動のあり方を提起しています。

 今後、種苗法の「改正」など、自家採種がより困難になってくるもとで、「農民の権利」を守るための大きな力を本書は与えてくれます。

 株式会社サイゾー TEL 03(5784)0790
 B6判266ページ
 定価 1300円+税

(新聞「農民」2018.12.10付)
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2018年12月

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