ふるさと
よもやま話
新潟県農民連会長
鶴巻純一
準産直米と農産物直売所で
仲間づくり
私の住む新潟県三条市は、新潟県のちょうど真ん中くらい、越後平野の中央部にあり、県央地域と呼ばれています。農業生産の最大のものは米で、コシヒカリを中心として、早生(わせ)のこしいぶきや晩生(おくて)で新しい品種の新之助などが栽培されています。
市の北側を信濃川が新潟市に向かって流れており、この近辺ではキャベツや白菜などの野菜、桃や梨、ぶどうなどの果物が栽培されています。
農民連の米は(有)農民連にいがた産直センターを通じて産直米、準産直米として消費者、農民連ふるさとネットワークに供給しています。今年の新潟県産米は作柄が悪く、収量が1俵以上落ちたという農家の声が多く聞かれました。夏の猛暑、秋の曇雨天の影響があったものと思います。ただ、産直センターの集荷量は昨年とほぼ同じで、産直米で会員を増やした成果だったと考えています。
農産物直売所に
品ぞろえも多様
県央地域の農民連会員有志が集まって、3年前の秋に農産物直売所を開設しました。県央センターは15年以上前から日曜朝市を長岡市の一角で5月下旬から12月末まで行っており、農産物の販売経験があったからです。
開設当初は出荷者は少なかったのですが、順次増えてきており、農産物の品ぞろえも多様な物が並ぶようになってきました。この中では、しいたけを栽培している農家が直売所に出荷するようになって農民連に加入したり、燕市のはずれから40分以上かけて野菜を運んでくる若い農業者もいたりします。
新潟県は冬期間は雪が積もるため、12月から3月上旬までは、基本的に露地野菜はできません。これからの季節に直売所で販売する農産物は、冬期にむけて囲っておくキャベツ、白菜や、農家が持っているビニールハウスでの栽培の葉物野菜が中心です。品目・数量の少なさを補うため県外の農民連の果物などを仕入れています。
|
直売所での餅つき |
ソーラー設置に
米、梨の返礼品
直売所の屋根にはソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行っています。福島原発事故を経験して、再生可能エネルギーの取り組みをみんなで推進しようとの思いからです。10キロワットの小さな設備ですが、設置費用を新日本婦人の会にも呼びかけました。集まったお金の返還は農民連が生産した農産物で行うこととし、3年目の今年は地域で収穫したコシヒカリ、梨、レンコン、しいたけ、銀杏などの返礼品を先日発送しました。
作ってこそ農民
喜び、生きがい
ものを作ってこそ農民の喜びも生きがいも生まれます。兼業農家にも大いに声掛けをしながら農産物生産と会員拡大に取り組みます。
(新聞「農民」2018.11.26付)
|