被災者・被災地の声
生かした人間復興を
東日本大震災から8年目
災対連が全国集会
講演・シンポ・分科会
災害被災者救援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)は東日本大震災から7年8カ月たった11月11、12の両日、岩手県大槌町で「岩手のたたかいに学ぼう 被災者・被災地の声を生かした人間復興 災害対策全国交流集会2018inいわて」を開催。岩手、宮城、福島の各県を中心に全国20都道府県から約180人が参加しました。
地方を生かす国政への転換が必要に
岩手県復興委員会総合企画委員長として県の復興計画に携わっている、岩手大学の齋藤徳美名誉教授が「東日本大震災から8年目の今を考える」というタイトルで、記念講演。「安全の確保、生業の再興、暮らしの再建の3つの柱を据えて復興を進めており、防潮堤や市街地のかさ上げ、漁港の修復などは進みつつある。災害公営住宅への入居も開始したものの、個人の住宅再建は緒についたばかり。個人商店は仮設店舗から本格復興に進めていない」と復興の現状を告発。課題として「ハードの対策は進んでいるが、人の姿が見えず、復興予算もひも付きで自治体が自由になる予算はない。地方を生かす国政の転換が必要」と指摘しました。
人間の営みの復興に程遠い
シンポジウムでは岩手、宮城、福島からそれぞれの復興の現状と課題について報告。宮城では、「創造的復興」の名のもとに惨事便乗型の大型開発が行われ、住民の医療費の窓口負担免除は早々に打ち切られるなど、箱モノはできても生業やコミュニティーなど被災地の人間の営みの復興には程遠い現状が明らかになりました。
2日目は5分科会に分かれて討論。最後に代表世話人の一人でもある農民連の笹渡義夫会長が閉会あいさつ。いつどこで災害が発生するかわからない状況の下で、災対連組織のない地域での確立を呼びかけ、生活再建支援制度の改正を訴えるアピールの採択と被災者の願いを実現するために来年の統一地方選挙と参議院選挙での奮闘などを訴えました。
交流会では自由党の木戸口英司、日本共産党の紙智子両参院議員も連帯あいさつを行いました。
(新聞「農民」2018.11.26付)
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