「農民」記事データベース20181112-1335-05

農のこころ

丸山美沙夫


 牛病みし牛舎小暗き良夜かな

           大久保 昇

 句集『転職へ』から。句集の題名ともなった〈雪の扉を開け転職へ踏み出せり〉がある。誠実に働き生きる心情が心を打つ。この作は畜産農家の病気になった牛を、夜中も真剣に付き添っていたことだろう。牛の病状が落着き、元気を取り戻してきたようだ。気づかずいた牛舎に差し込む月光、ほっと目が向く感動の良夜だ。

(新聞「農民」2018.11.12付)
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2018年11月

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