食料自給率の向上を
日米FTA協議に応じるな
=「母親大会」が農水省要請=
第64回日本母親大会実行委員会は10月25日、大会決議で確認された母親・女性たちの切実な要求を政治に反映させるため、各省庁への要請行動を行いました。農水省への要請には、農民連女性部の役員の他、東京や千葉の代表者ら7人が参加しました。
|
真剣な面持ちで要請する参加者ら |
今回の要請ではとくに、(1)食料自給率50%を実現する施策の実施、(2)日米FTA協議に応じないこと、日欧EPAの批准をしないこと、TPP11から離脱すること、(3)異常気象や災害による被害への救済策の拡充、を中心に求めました。
自給率向上について、農水省は「実現可能性を考え、国の目標は45パーセントに設定した。食生活が洋風化したのも自給率低下の原因の一つ」と述べ、国内需給拡大策として、「国産大豆の豆腐を月にもう2丁多く食べると1パーセント向上」などの“日常のちょっとしたとりくみ”も周知していきたい旨の説明を行いました。
希望を持てる農政に
福島の佐々木賀代子さんは、「今の農政では大規模化が求められ、兼業や小さな農家への支援がまったくない。地域では小さな農家にも大切な役割があり、小さな農家が希望を持てる、地域内の担い手の多様性を保てる農政にしてほしい」と訴えました。
また「食生活の変化だけが自給率低下の原因ではない。消費の見直しも大切だが、学校給食への国産食材への支援といった抜本的な需要拡大が必要ではないか」(農民連女性部事務局長の藤原麻子さん)という意見も。
愛知県の本多操さんは、「国産大豆の豆腐は輸入大豆豆腐の2倍近くする。国産のものも消費者が買い続けられる値段になるよう、国内の農業への支援を強めてほしい。全ての農地を生かして生産できるような所得や価格政策にしてほしい」と重ねて要望しました。
FTAで回答不能に
日米FTAについて農水省は、「物品貿易協定であり包括的経済協定ではないのでFTAではない」と強弁。参加者からの「アメリカ大使館の発表では『物品、またはサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定』となっているが、どうして“物品だけ”と言えるのか」との問いに、回答不能となる場面もありました。
(新聞「農民」2018.11.12付)
|