世の中、えらいことになるでえ
国際有機農業映画祭開催
11月18日 法政大学市ヶ谷キャンパス
有機農業や家族農業、持続可能な農業や社会とは何かをテーマに国内外の作品を上映してきた国際有機農業映画祭が開催されます。開催日は11月18日(日)、会場は法政大学市ヶ谷キャンパス(東京・市ヶ谷)。もう1カ月を切りましたが、今から日程を調整してみてはいかがでしょうか。
今年は、国内初公開の3作品を含む以下の5作品が上映される予定です。いずれも良作ですが、注目の作品は日本未公開の「トマト帝国」。(2017年・フランス)
あまりトマトを食べない文化圏の中国が、濃縮トマト産業に参入、広大な土地と安い労働力を使い、低価格の製品を生産、世界への輸出に乗り出します。それらはヨーロッパに輸入され、再加工の行程を経て、合法的にイタリア産、欧州産のケチャップやソースに変身していきます。このカラクリを支える貧しい農民と不適切な労働条件からなる生産をはじめ、新自由主義の旗のもと、世界のトマト産業の構造が破壊されていく実態をまとめた見応えのある作品です。
「海―消えたプラスチックの謎」
海に流れ出て漂うプラスチックの99%は行方不明。有毒なプラスチックが、数十ミクロンから5ミリほどの小さなマイクロプラスチックとなってプランクトンに取り込まれ、あるいは直接に魚などに取り込まれ、食物連鎖に入ってきています。新たな生態系「プラスチック生命圏」すらできています。各地の最新の研究を追った作品。(2016年・フランス)
「狂った蜂2」(初公開作品)
2016年の国際有機農業映画祭で上映した「狂った蜂」の続編。農薬の汚染と人間の健康、そして蜜蜂のつながりを包括的に描きます。環境保護に取り組む養蜂家、農薬管理を主張する科学者、公衆衛生学者など、台湾、日本、アメリカと3カ国を取材し多様な方面から考えた、台湾公共電視台の作品。(2017年・台湾)。
「たねと私の旅」(初公開作品)
北米に遺伝子組み換えの表示義務がないことを疑問に感じた一人のカナダ人女性が、その謎を解こうとする。母親から送られた遺伝子組み換えの書籍をきっかけに、取材をはじめます。彼女がたどり着いた結論とは。食卓からたねを考える母と娘の心温まる物語。(2017年・カナダ)
「大平農園 401年目の四季」
東京・世田谷で400年続いた農場。そこで繰り広げられる有機の世界は、農家の原点である安心して食べられるものを消費者に届けたいという思いと、それを求める人々に支えられてきました。この空間が、いつまでも続いてほしいという制作者の祈りを感じる作品。(2018年・日本)
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会場 法政大学市ヶ谷キャンパス
アクセス JR総武線市ヶ谷駅・飯田橋駅
開催日時 11月18日(日)午前9時半開場、 10時〜午後8時
参加費 一般・前売り 2000円・当日2500円 学生&25歳以下・前売り500円・当日1000円
※25歳以下、中学生は当日身分証明書を提示、中学生以下は無料
主催 国際有機農業映画祭、法政大学大学院グローバルサステナビリティ研究所
協力 NPO法人アジア太平洋資料センター、 NPO法人日本有機農業研究会、NPO法人日本消費者連盟
協賛 アジア農民交流センター、たねと食とひと@フォーラム、(株)EMジャパン、特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
問い合わせ先 URL:www.yuki-eiga.com FAX 03(5155)4767
(新聞「農民」2018.11.5付)
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