「農民」記事データベース20181029-1333-03

台風24号
塩害や強風の影響で農業大被害


〈千葉・愛知などで塩害〉

葉物中心に大被害
レタス・ブロッコリーなど大打撃

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塩害を受けたブロッコリー(千葉・旭市)

〈強風でハウス損壊〉

長野・原村で94棟倒壊
東京でも多数の被害

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小寺会長(右)のハウスも倒壊(東京・清瀬市)

 9月30日から10月1日にかけて日本列島を通過した台風24号は強風の影響で各地の農業に甚大な被害をもたらしました。

 愛知県では強風による塩害が発生し、定植間もないキャベツやブロッコリーが枯れました。

 静岡県でも塩害や強風による被害が発生。浜松市の新規就農者は契約栽培のネギが強風により倒伏してしまいました。

 両県の発表では愛知県で20億円、静岡県で32億円の農業被害が出ています。

 停電で灌水できず

 長野県原村は強風により94棟のハウスが被害を受けました。組合員のイチゴ農家、菊池雄二さんは「大雪の後再建したハウス2棟がやられた」と言います。1棟は風に吹き飛ばされ、5メートル以上離れたハウスの上にかぶさっていました。「2日間ほどの停電もあり、灌水(かんすい)ができなかった。ほぼ収穫が終わりの時期だったので被害は少なく助かった」と話します。

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飛ばされたイチゴのハウス(長野・原村)

 原村はセロリの一大産地ですが、ハウスを吹き飛ばされ、残ったセロリにマルチをかけて守っている農家もありました。「路地とハウスでは出荷できる時期も価格も違う。何とかハウス扱いで出荷できればいいが」と菊池敏郎常任委員(原村)も心配しています。

 関東各地でも被害

 関東でも強風が吹き、千葉県では沿岸部を中心とした塩害と強風による被害が広がっています。

 多古町旬の味産直センターでは葉物を中心に被害が広がり、春菊や小松菜、ミニ白菜などで10月分の出荷が減少。レタスは11月の出荷見通しが立たず、ホウレンソウは種をまき直すことを余儀なくされています。「生産者は、塩害対策で水をまくなど復旧に追われています」と同センターの小林由紀夫さん。

 同じく千葉県の房総食料センターでも銚子市や旭市など沿岸部で、大根やキャベツ、ブロッコリーなどが塩害を受け、露地のホウレンソウが強風ですれたり飛ばされたりしています。

ハウス再建に支援を

 要望を農民連まで

 東京都内でも農業用ハウスに大きな被害が発生しました。東京農民連会長の小寺理一さん(清瀬市)の農場でも強風でハウスがめくれ上がり、隣のハウスに突き刺さるなど、7棟に被害が出ました。「市内のほかの農家にも被害は出ている」と小寺さんは話します。

 被災した農家は、「ハウスの修理に9割補助が出れば農家は励まされる」と口をそろえます。

 農民連はこうした生産者の声にこたえるよう、農水省に求めていきます。被災状況や要望をお近くの農民連までぜひお寄せください。

(新聞「農民」2018.10.29付)
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2018年10月

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