「農民」記事データベース20181001-1329-02

台風21号被害


京都

収穫間際の水稲に大被害
パイプハウスも各地で倒壊

 昨年の台風被害の復旧もままならない中で、6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、そして今回の21号台風と自然災害があいついで京都府を襲い、大きな被害が発生しました。とりわけ21号台風は、収穫期を迎えていた水稲をはじめ、万願寺とうがらしやハウス野菜などに壊滅的な被害をもたらしました。

 美山町や京北町では、地元の人が「竜巻では」というような突風が吹き、屋根が飛ばされたり、北山杉が将棋倒しになる、電柱が倒れるなどの被害が広がりました。

台風21号被害 万全の対策を

 京都市内から京北町に通じる道路は倒木やがけ崩れでいまだに片側通行です。電柱の倒壊により光ケーブルが寸断されました。

 京北町に入るとあちこちの屋根にブルーシートがかぶせられています。かやぶきの屋根をトタンで覆った組合員さんのお宅では、飛散物が屋根に当たり、穴だらけに。家の中は雨漏りで大変だったそうです。

 コシヒカリの田んぼにも飛んできた屋根や飛散物が散乱し、「コンバインがゴミを拾うので稲刈りができない」と途方にくれる農家も。台風以降も連日雨続きで、無理に刈った田んぼはドロドロで、コンバインの大きなわだちが残っています。

 刈り取りを済ませて乾燥機に入れていた籾も、長期間の停電で乾燥ができず、品質を心配される組合員さんもありました。また、停電で電気柵が役目を果たさず、獣害も発生しています。山の被害はその実態すらつかめない状況です。

 パイプハウスも各地で倒壊。共済に加入しているものは補償があるものの、共済未加入のハウスは対象になりません。

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パイプハウスもグシャグシャに(京都市京北町)

 京北町で例年行われている新日本婦人の会のみなさんと農民連の稲刈り交流会も中止せざるをえませんでした。

 農民連近畿ブロックでは、災害により農業をあきらめる農家がでないよう、近畿農政局に対して、万全の対策を講じることを求める要請を行います。

(京都農民連書記長 安田政教)

(新聞「農民」2018.10.1付)
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2018年10月

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