「農民」記事データベース20180917-1327-09

旬の味


 赤茶色の山肌があちこちでむき出しになり、民家が土砂に飲み込まれた映像を見て、信じられない思いでした。遠く山陰地方に暮らす私には、北海道は広大な北の大地として、若いときからあこがれの地でした▼19歳の学生時代に北海道の牧場で2週間住み込みで実習をしたことがあり、貴重な経験でした。朝早くから搾乳をし、日中は牧草を刈り取り、また夕方から搾乳という生活をともにさせてもらうなかで、いろいろ学びました▼ご家族の絆にも感銘を受けました。3人の娘さんのうち、2人は寮のある高校に通っていて、土日には家に帰って来るのですが、ご主人が土日になるのを目を細めて待っている姿が、とても印象深く思い出されます。帰ってきた娘さんたちも休みには一生懸命牧場の仕事を手伝っていました▼牛舎の横にある傘の代わりになるほどの大きなフキの葉を見て驚く私を、高校生の娘さんが優しく笑って見ていました。思い出多い北海道。無力なりにできることで恩返ししたいと思います。

(K)

(新聞「農民」2018.9.17付)
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2018年9月

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