「農民」記事データベース20180910-1326-02

米屋さんと生産者を
つなぐ交流会

大阪会場に90人が参加

 農民連ふるさとネットワークは8月26日「米屋さんと生産者をつなぐ交流会」を大阪市内で開催しました。生産者と、関西方面の米屋さん、米卸など合わせて約90人が参加し、交流しました。


 冒頭、ふるさとネットの根本敬代表は「国連には大規模、機械化推進農業から大転換をしなければ世界中が食べられなくなるという危機感があります。今だけ、金だけ、自分だけという価値観から抜け出すことが求められています。食のあり様を子どもたちに伝えられるような交流をしてほしい」と呼びかけました。

 米卸を代表して(株)津田物産の廣瀬浩一執行役員仕入部長があいさつ。「販売を巡る状況は相変わらず厳しいです。いかに産地のファンになっていただくかがカギ。そのためにどういう米作りをしているのか話を聞いて持って帰ってほしい」と話しました。

 産地の思い伝えられるのが米屋

 米屋さんを代表して大阪府米穀小売商連合会の河中義和会長は、「この1年で少なくとも5件の米屋が廃業をしています。町から米屋がなくなっても困る人がいない状況があります。産地で、生産者がどうやってどんな思いで米を作っているのか、伝えられるのが米屋が生き残る最大の武器だと思います。そうした声を聞いていきたい」とあいさつしました。

 ふるさとネットの湯川喜朗事務局長は米情勢を報告しました。「本年産は品質への懸念はありますが、生産量自体は増える見通しと言われています。需給の不安定さは直接支払交付金7500円の廃止、市場任せの米政策のもとで一層激しくなって、生産者も米屋さんもともに見通しが経ちません。産地と米屋さんのさらなる関係の強化が求められます」と話しました。

 産地からの報告では、高温障害の懸念が語られました。一方、新潟からは「例年になく稲穂の姿が良い。去年よりは収量が期待できるのではないか」という声もありました。

画像
産地の報告に聞き入る参加者

 準産直に取組み新しい仲間を

 初めて参加した鳥取県農民連の久代安敏事務局長は、「県連の再建を始めて3〜4年たちます。米であればほとんどの会員が作っているので、県全体として取り組みやすい。準産直の取り組みを機に県連を盛り上げていきたい。低米価の中で、JAに出荷している生産者も、少しでも高く買ってもらいたいというのが率直な気持ちだと思います。準産直で、仲間作りにもつなげていきたい」と意気込みます。

 熊本県農民連の笹渕賢吾会長は阿蘇の竹原祐一さんと参加しました。「近隣の米屋さんとの付き合いはあるが、全国の米屋さんと交流できる機会はないので良い機会となりました。地元で兼業でやっている人は朝早くから草刈りをして仕事に行っています。そうした人たちはJAに出荷して、いくら入ったかも知らないという人が多いです。こうした人たちにも準産直への参加を働きかけ、少しでも農業収入を増やして、『農民連に入ってよかった』といわれるような取り組みにしていきたいです」と力を込めます。

 阿蘇の米をぜひ扱ってみたい

 「阿蘇の米をぜひ扱ってみたい」と話すのは大阪市の山下食糧の山下治男社長(42)です。山下さんは「家で米をたいて食べることが少なくなったのが、米の消費低迷の要因だと思います」と話します。

 「自分で愛情こめてご飯を炊いて食べるという文化を、もう一度伝えていかなくてはなりません。価格の乱高下は消費者にとっては理解しにくいものですが、どんな所でどのようにして作っているのかは理解してもらえます。一食の崇高さを感じてもらって、米を食べるという文化も守っていけるように伝えていきたいです。農民連なら一緒に新しいブランドも作っていけると思います。力を合わせて新しいステージにいけたらいいですね」と語っていました。

(新聞「農民」2018.9.10付)
ライン

2018年9月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2018, 農民運動全国連合会