「農民」記事データベース20180903-1325-07

農家が得する
税金コーナー
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「更正の請求」の活用を

 「更正の請求」とは

 「更正の請求」は、確定申告の誤りにより税額が過大であったり、還付金が少なかったりした場合、申告期限の後に、納税者の方から正しい額に訂正することを求める手続きです。更正の請求で所得が減額更正されれば、当然、住民税、国保税、介護保険料などの負担も軽減されます。ちなみに、申告期限前であれば、確定申告書を出し直すことで、何度でも訂正できます。

 「更正の請求」が簡単になった

 国税通則法「改正」(平成23年12月2日)により、増額更正できる年分が3年から5年に延長され、それにあわせて減額更正できる年分も1年から5年となりました。申告期限から5年請求できます。

 更正の手続きも、「更正の請求書」と減額更正すべき事実を証明する書類(領収書のコピー、控除証明〈生命保険、医療費など〉、収支内訳書など)を提出するだけで大丈夫です。

 後ほど税務署から「請求通り」「一部請求通り」「却下」のいずれかの決定通知書が送付されます。

 更正の請求をすることによって不利益を受けることはありません。昔のように税務調査覚悟で出すようなことはありません。

 収支や所得控除の見直し

 はじめて税金申告の相談に来た人は、減価償却費(減価償却が終わっていない償却資産の途中廃棄)、家事関連費や扶養控除の付け替えなど見落としがちです。

 農業収支の見直しや申告書の所得控除・税額控除の見直しなどきっちりすれば、思いがけない減額になることがあります。話だけに終わらせず「更正の請求」をすれば実際に税金が返ってきて、その場で加入につながります。

 「更正の請求」の過去事例

 ●「税金が高い。更正の請求がしたい」と組合へ加入。平成25、24年分の収支を見直し。平成24年分で農協の仮渡金が期末と販売額に二重計上。更正の請求で所得税14万円弱、消費税3万5200円が還付。その後、住民税、国保税も還付。

 ●長年面倒みてきた妻の母。同居していないので扶養控除にとっていなかった。平成24年から過去3年分、母を扶養控除にとって更正の請求。7万2000円還付。

 ●調査を受けて修正申告した後に組合加入。医療費控除をとっていなくて、医療機関に支払証明書を出してもらい、平成26年3月に平成24、23、22、21年の過去4年分の更正の請求。経費の見直しで平成25年分の更正の請求。

 ほかにも娘が子連れで実家に戻ってきた。親と苗字が違うので扶養にできないと思っていた例や親(農業)と子(給与所得)は別々と思っていて、子の扶養につけられないと思っていた例もありました。

(新聞「農民」2018.9.3付)
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2018年9月

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