農民連ふるさとネットワーク
第15回総会開く
農民連ふるさとネットワークの第15回総会が7月27日、東京都内で開催されました。27都府県から48人の代議員と傍聴を含め約90人が参加しました。
国連家族農業の10年
いよいよふるさとネットの出番
家族農業の安定・確保を
総会に先立って、愛媛食健連会長で愛媛大学特命教授の村田武さんが「国連『家族農業の10年』のもとで―アメリカ・ニューイングランドの家族農場の共同組織から―」と題して講演しました。
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講演する村田武さん |
安倍政権は家族農業を切り捨てる政策を推進していますが、ヨーロッパでは、「日本のように小規模な農民が中心を占めている中東欧諸国の安定成長と雇用の確保のために、直接支払いで家族農業の安定確保をするしかない状況が進みつつあります」と紹介。
またアメリカでも「ローカルフードをキーワードとして、日本の産直を参考にしたCSA(地域が支える農業)を活用した小規模家族経営の有機農業が新しい豊かさを求める運動とつながり、大都市の貧困層への食料供給にも貢献しています」と紹介。これまで農民連が求めてきた家族経営農業の推進が世界の流れであることを強調しました。
「10年」を国民的運動にしたい
総会の冒頭にはふるさとネットの根本敬代表があいさつしました。根本代表は「東北農政局交渉で『家族農業の10年の担当部局はあるのか』と聞いても回答がありませんでした。うまくいくかどうかはわれわれにかかっています。農民だけの問題ではなく食料安全保障の問題であり全ての国民の問題です。これからの日本の食料や生き方をどうするのか、国民的な大運動に」と呼びかけました。
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あいさつする根本代表 |
また、農民連の笹渡義夫会長と新日本婦人の会の高橋和枝副会長、日本共産党の田村貴昭衆院議員から来賓あいさつがありました。
各地の取り組み生き生きと
湯川喜朗事務局長から議案の提案が行われ、「米シンポ・学習会などの展開に合わせて、準産直米の拡大につながった。引き続き、地域で農地・農業を守る運動を、農民連の仲間が中心になって牽引していくことが重要」と述べました。
さらに、農民連の米や野菜は学校給食でもたいへん評判がよく、学校給食事業の拡大に向けて、生産基盤の強化を訴えました。
また新婦人との産直に新たな企画の提案も行っていくことを提案しました。
愛媛県農民連の吉田康臣事務局長と大阪産直センターの大坊幸事務局長は水害の被害状況を報告。兵庫農民連産直センターの辻本悦子さんは、新婦人との大豆トラストの取り組みについて話しました。
千葉県の多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんは新婦人との学習会の取り組みの中で「買い物は『投票』行動であり、地域が豊かになる選択をするのが産直」という訴えをしていることを紹介。新潟産直センターの鈴木亮さんは「中米の出荷に取り組む人が増えてきている」と報告。奈良産直センターの森口いち代さんは失敗談も交えながら、米粉めんや国産小麦のそうめんなど新商品を紹介しました。
福島県の浜通り農産物供給センターの三浦広志さんは再生可能エネルギーや加工用・飼料米を含めた準産直の拡大と農地の復興の取り組みを報告しました。
福島農民連産直農協の佐々木健洋さんは、「再生可能エネルギーを全国で運動として進め、事業としても推進し、農地を守り、組織の強化につなげよう」と呼びかけました。
総会で選出・退任された役員(敬称略)
代表 根本敬(再)
副代表 鈴木弥弘、小倉毅(以上新)
事務局長 湯川喜朗(再)
理事 奥貫定男、鈴木亮、本多正一、山本英樹(以上再)、星光一、小林隆範、小林由紀夫、長谷川敏郎、太田透(以上新)
監事 竹上一彦、飯島幸三郎(以上再)、山口徹(新)
退任された理事・監事は以下の通り。
山口一郎、松本和広、高橋清(以上副代表)、民谷清治(理事)
松本慎一(代表監事)
(新聞「農民」2018.8.13付)
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