「農民」記事データベース20180730-1321-11

ふるさと
よもやま話

秋田県農民連委員長 鈴木万喜夫


自由化阻止、地域経済守れ
生産費保障する米価を

 秋田市で米づくりをしています。今年は田植え後、低温が続いていましたが、その後は、天候も順調で8月上旬には出穂期を迎え、順調に推移すれば、9月20日頃には稲刈りが始まります。

 天候も気になりますが、米の需給と価格の安定への責任を放棄した安倍農政への不安も抱きながらの米づくりです。特に米価が今年、どうなるのかは最大の関心事であり、豊作でも不作でも、安心して米づくりができる環境が求められています。

 農業委員として農地の守り手に

 平成8年から、秋田市の農業委員を務めています。かつては、農地利用の関係で、すべて現地確認をするなど、農地全般に責任を負っていました。昨年から農地関係は農地利用最適化推進委員の役割になっていますが、お互い車の両輪となって、農業委員もできるだけ一緒にチェックしたり、地域での相談活動に乗ったりするようにしています。

 今までは、行政が政策を出すときは、農業委員会としての意見を諮問され、そのたびに建議してきましたが、その機会が少なくなっている気がします。

 しかし、全体的に委員に女性や若手が増えてきたのは前進面です。農業委員が公選制から任命制に代わっても、農政に意見を言い、提案をする役割はますます大事になっています。

 今、県全体で大型ほ場整備事業が目白押しです。私の住む四ツ小屋地域のみならず、秋田市の広範な地域が名乗りをあげています。

 ほ場整備と農家負担の軽減は、時代の要請としても、“立派な大ほ場は残ったが、村には若者も担い手も残らなかった”ということにならないよう、少なくとも生産費の保障をし、持続可能な農業で地域経済や環境を守るしくみづくりをする農政の実現こそ強く求められるのではないでしょうか。

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「怒りの農民集会」でマイクを握る鈴木委員長=2017年7月25日

 秋田県農民集会大成功させたい

 また、以前は、農村の各地域に小中学校が1校ずつありました。私の地域でも、昭和50年頃に大規模な団地が建設されましたが、最近、農村部から小学校に入学するのはほんの十数人だそうで、近い将来、統廃合の問題がでてくるといわれています。農林漁業の衰退、少子化、核家族化の進行は、地域の存立をも危うくしています。

 8月30日には、20数年続けてきた「食料・農業・地域を守る! 怒りの秋田県農民集会」とトラクター・軽トラデモを、「際限なき自由化ストップ、地域経済を守れ、生産費を保障する米価の確立を」などの要求を掲げ、成功させたい。

 県農民連も地域の農家の要求をくみ上げながら、組織をさらに発展させたいと考えています。

(新聞「農民」2018.7.30付)
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2018年7月

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