西日本豪雨災害被災した仲間を離農させない愛媛 現地リポート 笹渡義夫会長
愛媛県大洲市、西予市、宇和島市を訪ね、被災の中でがんばっている仲間たちに会うことができた。被害は豪雨とダムの放流で肱(ひじ)川がはんらんしたためという。炎天下、土ぼこりが舞い上がる中で片づけ作業に追われていた。 西予市野村町は、農民連が誇る「百姓百品」グループが活躍する町で、500人の生産者を組織し、100人余を雇用。直売所組織「百姓百品」と生産法人「百姓百品村」、障害者施設「野村福祉園」が一体に、耕作放棄地対策や担い手確保、農福連携で障害者の社会復帰にも貢献している。事務所と直売所、作業所は、泥を取り出したが再開のめどはたっていない。グループ代表の和氣數男さんは、送迎用ワゴン車2台と集配用の2トン車、パソコン、レジなどの機器を20台以上失ったという。 近くのJA選果場も2メートルもの水に襲われた。部長は、「最盛期のキュウリを農家が選果して箱詰めしている。出荷を諦める農家もいて、離農が怖い。国の助成があれば助かる」という。
西予市明浜町。きれいな海と、急斜面に石垣が幾重にも積み上げられた段々畑のみかん園は「ジオパーク」に認定されている。斜面が崩落してミカンの木をのみ込み、農道をふさぎ、命綱の作業用モノレールやスプリンクラーを破壊した。「散水も防除もできない」。地元の会員たちに不安が募る。宇都宮利彦さんや宇都宮凡平さんら、農民連の仲間たちは被災直後からバックホーを繰り出して農道の土砂を片付け、地域の仲間を激励して奮闘している。被災地の仲間と連携して力を尽くさなければと決意させられた。
(新聞「農民」2018.7.30付)
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[2018年7月]
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