旬の味
施設でお世話になっている義理の母が、大たい骨を骨折し、入院となった。手術をしなければ寝たきりになるとのこと。「もっと気をつけていればこんなことにはならなかった」と反省しきりの母▼97歳という年齢。時々、わがままを言って困らせる。一つ一つ母の言葉を受け入れながら、ふと、こんな言葉を思い出した▼血縁で結ばれた家庭では、最初から親子であるのは当たり前。親子になるという意識はない。どんな親子であっても、「親子である」状態を維持するには「親子になるプロセスを繰り返して、ともに成長しなくてはならない」と▼この母と一度だけ、意見が違い衝突したことがあった。そのときは、どうしても母の言葉を受け入れることができなかった。もう何十年も前のこと▼今なら「ゴメンナサイ」と言えるのに、スースーと寝息を立てている母のそばで、昔のことを思い出している。今、必要あって親孝行のまねごとをさせてもらっていることに心から感謝し、1日も早い回復を願っている。 (志)
(新聞「農民」2018.7.16付)
|
[2018年7月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2018, 農民運動全国連合会