クロマグロ漁獲規制大型船優遇の枠配分を見直せ
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時には怒号も飛び交い、緊迫したやりとりが続いた水産庁交渉。テレビ中継でつながれた第2会場にも参加者があふれた |
新潟県佐渡島の漁業者は、「佐渡沖では産卵に集まったマグロの群れを、巻き網船が毎日、一網打尽で捕っている。巻き網船は資源破壊しかしていない」と発言。北海道函館市戸井地区の代表が、「なぜ沿岸漁民の声も聞かずに枠を決めるのか。TAC規制になれば、違反者は30年以下の懲役か200万円以下の罰金だ。水産庁の政策は沿岸漁民を犯罪に巻き込むようなものだ」と述べると、「そうだ!」と会場が騒然とする場面もありました。
築地市場のマグロ仲卸の渡辺和義さんもかけつけ、「私たちマグロ業者も価値あるマグロを、価値ある値段で売りたい。産卵マグロは身質も悪く値が付かない。大量水揚の巻き網漁は、相場も破壊している。巻き網が優遇されて、私たちにとって一番大切な沿岸のマグロが規制されるのはおかしいし、マイナスだ」と訴えると、会場の漁業者から「ありがとう!」とのかけ声とともに、大きな拍手が湧きました。
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漁業者が掲げたプラカードの1枚 |
JCFUからは事前に全政党の農林水産委員と衆参議員全員へ出席を案内。集会へ出席した立憲民主党、日本共産党、国民民主党の議員代表へは各地の沿岸マグロ漁民代表から要望書が手渡されました。「水産庁職員がこの10年間で13人も巻き網業界に天下りしている。これではモノが言えなくなる。大規模だけを守る水産政策でいいのか」という出席議員からのあいさつには、会場から大喝さいが起こりました。
北海道函館市戸井地区の青年漁業者は、「このままでは廃業に追い込まれ、生活が成り立たない。国はわれわれ沿岸漁民を殺す気なのか! こんな不条理な配分をして、どこまで漁民を苦しめるのか。心同じく集まった全国のみんなと手を取り合い、なんとしても配分を見直せと訴えていきたい」と表明しました。
同じく北海道松前地区の代表は、「資源管理は大切だ。しかしこの枠配分は沿岸漁業者には死活問題だ。地域全体の消滅にもつながる。漁業者の生活を守るため、一致団結してがんばろう」と呼びかけました。
「対馬沖はマグロの産卵海域になっており、目の前で飛び跳ねるマグロを見ても、未来世代のためとこぶしを握りしめて漁を断念してきた。しかしその海域で、今日も巻き網が産卵期のマグロを一網打尽に捕っている」と訴えたのは、長崎県対馬の代表です。
JCFU世話人で千葉県沿岸小型漁船漁協の鈴木正男さんは、「3年前、全国の小規模漁業者の声を一つに集めようとJCFUを立ち上げたことが今日の行動につながった。これはマグロだけの問題ではない。沿岸漁民の声の通る水産行政にしていこう」と訴えました。
[2018年7月]
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