「農民」記事データベース20180521-1311-11

旬の味


 自他ともに認める方向音痴の私。「列車で来て。駅まで迎えに行くから」に久しぶりに“乗り継ぎ列車”で出かけた▼下りている“日よけ”が気になり、そっとあげた。明るい日差しとともに車窓に目をやり、「ずいぶん変わったなあ」とひとり言。緑色の風景が少なくなった線路と並ぶ雑草も変わった気がする▼後に走り去る草々に「汽車ポッポ」の歌を思い出した。5月の風にはらみながら泳ぐ“鯉のぼり”も見えた。“鯉のぼり”“背くらべ”……と浮かぶ童謡。やさしい気持ちになったような気がした▼一つ一つの詩、たとえ現存しなくても私にとっては心情風景なのかもしれない。車では、こうはいかなかっただろう。ありがとう、「列車でネ」の一言。迎えてくれた農民連の仲間は、米の産直を通して知った▼農業の型もずいぶん変わったけれど、5月八十八夜は、農作業の始まりの節目となる日。農家にとっては大切な雑節の一つだ。八十八夜を縦に組み合わせたお米づくりに今年もがんばろう。

(え)

(新聞「農民」2018.5.21付)
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2018年5月

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