「農民」記事データベース20180514-1310-09

ふるさと
よもやま話

静岡県農民連副会長
堀越茂一


金太糯と春どりレモンの
栽培・出荷に夢ふくらむ

 みかんの花が咲きましたぁ〜!

 4月下旬のネーブルオレンジから、7月中旬の金柑まで続くかんきつの花暦の始まりです。今年は豊作になる予想です。

 昨年は、全国的なかんきつ類の不作により苦しい思いをした仲間もいましたが、農民は強い! 「今年はどう作る、どうやって売る」と前向きな話の多いこと。私も策を練らねばと……。そんなわが家でも新たな取り組みが始まります。

 今年から在来種のもち米を栽培

 一つ目は、在来種のもち米栽培に挑みます。その名もずばり“金太糯(もち)”。味はよいが、つくりにくい静岡市(清水区)の在来種です。

 金が太いとはよい名だと思います。この金太糯を知ったのは、『しずおかの在来作物』という1冊の本を読んだときでした。静岡市内においしい餅があると聞いたことがあったのに、品種も生産者も不明では無理かなと思いつつ、開いたそのページに品種名も生産者名も書いてあったのです。

 そこで農民連の仲間に聞いてみたら、「うちでもつくってるよ」と、“灯台下暗し”を実感することとなりました。それから2年かけて、種もみを借り、今年の作付けとなったのです。

 静岡県農民連のブランド米に

 在来種の特徴として、地域外では栽培されていないので、早晩生や適地の選定が困難だと思いますが、金太糯は静岡市内では晩生であり、浜松市(細江町)でもほぼ同様ではないか、とのことで、6月上旬に田植えをすれば、10月下旬が収穫期になると思われます。

 みかんの収穫の時期と重なりますが、種もみ2・5キログラムで1反(10アール)弱の作付け見込みです。借りた種もみを返さなければならないので、バインダー(稲刈り機)刈りし、はざ掛け米としてコンタミ(異物混入)しないように栽培します。

 長野県の上伊那農民組合の白毛餅ではないですが、静岡県農民連のブランド品にできるような取り組みもあわせて考えたいです。

 国産レモンの周年出荷めざし

 2つ目は、3年越しの企画ですが、春どりレモンの出荷です。国産レモンの人気はあるのに、レモンがない時期には輸入レモンを使っていると聞き、国産レモンの周年出荷を考えるようになりました。1年目は、凍害で全滅、2年目は冬期散水の失敗があり、枝折れが発生してしまいました。

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レモンの生育状況をみる堀越さん

 そして3年目にようやくこぎ着けました。出荷目標は400キログラムで、順調にいけば、9月下旬の通常出荷に引き継ぐことができそうです。露地栽培での挑戦ですが、来年は1トン? 再来年はフフフ……と夢が膨らみます。

(新聞「農民」2018.5.14付)
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2018年5月

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