埼玉で「県南食健連」結成
関連/就農して丸3年 GWも大忙し
埼玉県さいたま市と川口市にまたがる「見沼田んぼ」。東京から電車で30分たらずの都市近郊に、1200ヘクタールを超える美しい田園風景が広がっています。この「見沼田んぼ」と、地域の農業、食糧、健康を守ろうと、4月28日に「埼玉県南食健連」が設立されました。
見沼田んぼを守って
農と食を発展させよう
正式名称は、「埼玉県南都市近郊・見沼田んぼ 農業・食糧・健康を守る連絡会」です。さいたま市で開かれた設立総会には33人が参加。埼玉県の篠崎豊農林部長からもていねいなメッセージが寄せられました。
結成に至るまでの経過を、埼玉食健連事務局次長で埼玉県農民連副会長の松本慎一さんが報告しました。松本さんは、29年前、アメリカン・トレインとのたたかいのなかで結成された埼玉県食健連の歴史などにも触れながら、食健連の運動を紹介。
そのうえで、昨年の秋、「日本の伝統食を考える会」が見沼田んぼの歴史や都市農業をテーマに、埼玉食健連と合同でバスツアーや収穫祭を開催したのをきっかけに、県南部でも地域食健連を結成しようという機運へとつながったことを報告。「受け入れ準備やガイドなどをするなかで、あらためて県南部の都市近郊農業と、その中心である見沼田んぼの奥深さを認識することができた。TPPや安倍農政など情勢が緊迫する今こそ地域食健連結成のときと、呼びかけ人会議を重ねてきた」と述べました。
呼びかけ人の一人で、埼玉の地酒と農産物を使った居酒屋「うりんぼう」を浦和駅前で営む佐藤紀子さんは、「この前の冬は野菜が高くて、本当に困り、あらためて生産者のことを考えた。この見沼田んぼがよくなるといいと思う」と発言。
呼びかけ人の一人で、県南食健連代表に選出された、元新日本婦人の会会長の高田公子さんは、「今の安倍内閣を見ていると、命のおおもとである農業と教育が本当に危機に追い込まれていると感じる。2歳の孫に、なんとしても憲法と安全な食べものを残してやりたい。ご一緒に楽しく活動していきましょう」と呼びかけました。
県南食健連では、今後、地域行政への働きかけなどとともに、見沼田んぼの散策会や食べ歩きなど楽しい活動も進めていくことにしています。
郷土史研究家の石井正隆さんが、「見沼田んぼ300年の歴史と農業」をテーマに特別講演し、好評を博しました。
福岡県うきは市
写真はブドウのピオーネの誘引作業をしているところです。この時期、農園では、梨、桃の摘果、柿の摘蕾(てきらい)と大忙しです。ゴールデンウイークも畑にいます。
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父、督文さん(左)と裕記さん |
東京農業大学を卒業後、千葉で研修を積み、福岡に戻って丸3年。一連の作業を覚えて、今年からは品質向上に力を入れています。
異常気象が当たり前になってきたので、確かな技術を身に付け、環境変化ともうまく付き合っていかなくてはと考えています。
(福岡・みのう農民組合 佐々木裕記)
(新聞「農民」2018.5.14付)
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