地域の話題
あれこれ
岩手
久保田みき子
グローバル化するのは
よいことなのでしょうか
今はショートメールでもあっという間に海外の人に伝えることができる時代でびっくりします。ニュースでも外国の人が日本に永住する人が増えていると報じていますし、日本で働く人もどんどん増えているようです。
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今年1月に韓国・ソウル市で開かれたビア・カンペシーナ東南・東アジア地域の女性トレーニング会議に出席した久保田さん |
外国人労働者が2300人ふえ
私の住んでいる岩手県でも昨年は3999人の海外の方が県内で働いていて、おととしよりも581人も増えたそうです。農林業の分野でも299人の方が従事し、国別で一番多いのは中国、次にベトナム、フィリピン、アメリカと続いているそうです。この10年で2300人増えて、2倍以上にもなっているとか。
私も現金が欲しくて、仕事に行っている所がありますが、そこはネパールから若い人たちが来ています。彼らは日本語学校で日本語を学ぶ学生なのですが、週に4日ほど深夜から朝まで働いています。通勤は会社が送迎バスを出しているので、それに乗って通っています。外気が入ってくる仕事場はとても寒くて、ネパールよりも寒いと言っています。「ネパールの北の方は寒いけど南の方はこんなに寒くない」と言います。
150円以上私よりも高い
「お金を何に使うの?」と聞くと、「勉強のために使う」「時々家に送る」と言っています。この方たちはどういう契約で働いているかというと、派遣労働者です。
しかも、私は彼らよりもずっと長くいて、仕事もいろいろ知っているのに、時給は150円以上も私の方が安いです。
国会では、働き方改革ということが議論されていますが、同一労働同一賃金は当たり前のことで、労働時間が過労死ラインすれすれなどということはありえないことだと思います。
働き方もそうですが、ものづくりのことも、この国の人たちを大事にして、仕事を伝えていくという考え方ではなく、グローバル企業では、現地(売る市場)の労働者を働かせて、そこで売るということが一番もうかるからそうするのだと聞いたことがあります。
もっと考えてよ“地域・国守る”
どんどんグローバル化していくことはよいことなのでしょうか?
物も人も。世界で一番企業がもうけやすい国づくりをしている結果なのでしょうか?
北海道や富士山のふもとなどの水源地はどんどん中国の人が土地を買っていると聞きますし、軍事費をどんどん増やして、この国を守るのではなく、地域を、国を守るということをもっと考えないといけないときだと思います。身近なところでどんどん変化していく事態に考えさせられています。
(新聞「農民」2018.3.19付)
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