核兵器禁止条約で新たな動き
集会を機に全国でうねりを
関連/第五福竜丸の元乗組員 大石又七さんの訴え
18年3・1ビキニデー
原水協が全国集会
太平洋のマーシャル諸島共和国ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」などが被爆してから64年が経過しました。今年も3月1日のビキニデーに合わせて様々な行動が行われました。
2月28日には「2018年3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会」が静岡市内で開かれ、850人が参加しました。
日本原水協の安井正和事務局長は基調報告で「核廃絶へ市民社会の働きが飛躍的に高まっているもとでこの集会が開かれている」と述べ、「核保有国のなかでも核兵器禁止条約の議論が進んでいる」と紹介。「この集会を跳躍台に、全国的な運動のうねりを起こそうではありませんか」と呼びかけました。
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各地の取り組みが報告されました |
夜には静岡駅前で、青年が独自に署名行動を行い、通行人とシールアンケートを通じた対話に取り組みました。
3月1日には、第五福竜丸の無線長だった久保山愛吉さんの墓参行進が行われ、1500人が久保山さんの好きだった赤いバラを手に、弘徳院まで歩きました。
被災64年ビキニデー集会で大石氏が訴え
また、焼津市内で行われた「被災64年2018年ビキニデー集会」には1800人が集結しました。第五福竜丸の元乗組員、大石又七さんと池田正穂さんが訴えた(詳細は別掲)のをはじめ、被爆者の思いや運動の交流が行われ、核兵器廃絶への決意を固め合いました。
安倍首相は戦争する国へ躍起
核兵器も原発も絶対反対
今から64年前に第五福竜丸に乗って太平洋でマグロをとっていた漁師の大石又七と池田正穂さんです。私の半分以下の年齢の40代、50代で逝ってしまった仲間たちに代わって、このビキニ事件の悔しさを訴えさせていただきます。
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スピーチする大石さん(右)と池田さん(左) |
アメリカに追随
安倍首相はアメリカに追随して戦争ができる国にしようとなりふり構わず躍起になっている姿は驚きです。太平洋戦争が始まる前の時によく似ています。
安倍首相はビキニ事件が発覚した年に生まれていますから、当然戦争の怖さや理不尽の数々を知りません。そしてビキニ事件の、目に見えない放射能の恐ろしさも知りません。これでは本当の被爆者の発病や死がどんなものであったかも知らないのは当然です。
安倍首相の言動を見ていると崇拝している軍国主義者だった祖父、岸信介元首相の華やかかりし戦前、戦中の姿を一生懸命追っているように見えてきます。
多くの犠牲の上に
岸氏は国民の強い安保条約を反対を押し切って自然成立させ、責任をとって総理を退きましたが、その時「この結果は後になってわかる」と言いました。結果を今見ると大変なことになっています。アメリカの戦略に巻き込まれ、世界で一番危険な国になり、安心できない立場に立たされてしまっていると私は思っています。
たくさんの人の犠牲の上に、何百年もなしえなかった平和憲法を手にすることができ、遠く地の果てで命を落とした兵士たちも浮かばれていると思っていたのに、安倍さんは今、まだ若い純粋な自衛隊員に人殺しをさせようとしています。これでいいのでしょうか。
安心して住める国へ
岸信介元首相の軍国主義につながる日米安保条約、弟佐藤栄作元首相の非核三原則の無視、安倍晋三首相の集団的自衛権。憲法無視の安倍一族は日本を再び敗戦国にすると思います。戦争好きなアメリカと一刻も早く手を切り、戦争しない平和な国をつくろうとする国々の間で仲介する政府に早くなってほしいと思っています。
核兵器も原子力発電も私は絶対反対です。安心して住める日本を守るために、みなさん一緒に考えましょう。
(新聞「農民」2018.3.19付)
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