長野・佐久
佐久農民センター、県有機農研、
地区食健連などが共催
自然栽培とタネの講演会
女性や若者、農業関係者など
250人参加で大盛況
長野県の佐久農民センターは2月4日、長野県、長野県有機農業研究会、こもろ食と農を語る会、佐久地区食健連と共催して、「自然栽培&いのちを未来に伝えるタネ」の講演会を開きました。
当日は、急きょイス席を追加するほどの混雑ぶりで、乳飲み子を抱えた母親などの若い参加者と女性が目立ち、地元議員、農業関係者、消費者、県外からの参加を含め、のべ250人以上の来場となりました。
冒頭、農民センターの高橋達夫会長が主催者あいさつを行い、県農政部からもあいさつを受けました。
午前中は、自然栽培農家・関野幸生さんによる「無肥料自然栽培の考え方・取り組み方」の講演です。関野さんは、トマトやナスの育て方を事例に、土壌の力以上の肥料の弊害を指摘し、人間の知恵と自然力の活用、連作をする意味と自家採取の大事さを訴えました。
午後の野口種苗研究所(埼玉県飯能市)・野口勲さんのお話は、「いま、なぜ固定種の種が大切なのか」と題して、3時間以上に及ぶ熱い講演となりました。野口さんは、野菜のタネが固定種からF1種に変化したいきさつや、「優性不稔(ふねん)」と人体への影響、さらには遺伝子組み換え作物による地球環境汚染の危険性を強調し、「タネが持っている無限大の生命力に目を向けよう」と呼びかけました。
実行委員会では、昨年秋に、野口種苗の訪問と関野農園のほ場見学を行い、10回に及ぶ会議等を重ねて準備を進めてきました。チラシも5000枚を印刷し、生活クラブ生協や関係する団体・組織への配布、地元議員や農業委員への案内文書の発送、公共施設や直売所、地元スーパーに申し入れ、チラシを置いていただきました。
世界観変わった
アンケートでは、「F1の意味がわかりました。食べものを大切に扱う社会になってほしい」「地味な話題なので閑散としていると思った。たいへんおもしろく、勉強になり、満足です」などの感想がありました。農業大学校の学生からは、「野菜への認識、世界観ががらりと変わりました」とお礼の言葉が寄せられました。私たちはこれを機に、一緒に取り組んだ農業青年を中心に農民連への加入を訴え、地域の農民運動の活性化につなげていく決意です。
(長野・佐久農民センター 布施勝次)
(新聞「農民」2018.3.12付)
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